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又、 フィリピンに詳しい日本人にとっても、 一章あたり 3-4ページの コンパクトな
文章の中に、フィリピンでの体験を納得させる 貴重なデータを提供してくれる。
さてこのフィリピン編ですが、テーマの選び方はほぼ満点です。政治と経済、文化や風俗、日本との関係など、平均的読者がフィリピンについて知りたいと考える知的欲求にきちんと応えられるだけの項目が並んでいるといえます。
しかし文章については苦言を呈したいと思います。
執筆担当者が30人近くにも及んでいますが、その8割がアカデミズムの世界に身を置く人々であるためにこの本は非常に小難しいものになってしまったうらみがあります。研究者特有の硬質で非日常的な漢語が多い文体は決して一般読者向けとはいえないでしょう。特にフィリピン文学を語った第23章は、外国人の京大助教授がおそらく英語で書いたものを翻訳しているのですが、まるで学術論文のような難しさです。
執筆陣を束ねるべき編者が、老若男女を対象に文章を書くことをなりわいとする朝日新聞の記者なのですから、全体の文体についてもう少し統率力を発揮してもよかったのではないでしょうか。
本書は出版時に大統領職にあったエストラーダの時代までしか描かれていません。今年の選挙で新大統領が誕生するのを期に改定版を出す予定があるのならば、文体等について見直しを検討してもらいたいものです。
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