ルイス、ハーシュマン、センなど、開発経済学での代表的な経済学者の考え方をアフリカを舞台に説明した本。各経済学者の考え方や主張を分かりやすく説明しているだけではなく、彼らの生い立ちや思いなどにも言及が成されている。また、アフリカという現代での開発に於いても多くの問題を抱えている世界で、彼らの理論の有効性などを検証し、それぞれの理論の長短を比較したりして多角的に捉え、理論の現実への適用の難しさを上手く描き出している。基本的には入門書的な本であり、特に難解な抽象論や数式は登場しない。理論の美しさだけを記述した訳でも、現実の難しさを突き出して経済学の無力さを感じさせるものでもなく、本書の冒頭にも記述されている、経世済民としての暖かい経済学への希望を感じさせる。これから開発経済学の勉強を志す者に取っては、良い入門書になろう。ただ、本書で紹介された各経済学者の考え方を理解するためには、やはり、本書だけではもの足りない。本書を読まれた後は、多少難解でも、彼らの著作を読んで理解を深める必要があろう。