宮殿や有名美術館・博物館といったヨーロッパ文化の表の顔ではなく、日本で言うところの『秘宝館』なる観光スポットなど、アンダーグラウンドでダークなヨーロッパの陰なる場所を、豊富な図版で紹介した本書は、エログロ・ナンセンス、B級、キッチュ、ミステリー、真面目で面白いといった表現だけでは収まりきれない魅力があります。マダム・タッソーの蝋人形館を筆頭に「蝋人形」、デンマークの首を切り裂かれたミイラがあるモースゴー先史博物館などの「超古代」、リトアニアの丘を埋める十字架に圧倒される「信仰」、オランダ他のセックス・ミュージアムを紹介した「性愛」、拷問や犯罪をテーマにした「暴力」、性病や解剖のオンパレードな「病理」、珍奇な建築物や庭園の「アウトサイダー」、スイスにあるカエルのジオラマや一見がらくたとしか思えない私設美術館の「蒐集」、開館時間不定のウィーンにあるサーカス道化博物館など「人文・社会科学」、本書の強烈な毒気にほっと一息できる「観光」ではフィンランドのムーミンワールドやイギリスの人面岩など、骸骨寺とでもいうべき「カタコンべ」の数々がラストを飾ります。とにかく前半がどぎついので、お子様にはお勧めできませんが、写真図版だけでなく撮影秘話も不思議な感じで読めます。