この本に出会ったときの衝撃はいまだに忘れられない。ある日、学校から帰ると玄関に投げ出されている本書を発見。訝しく思うのも早々に読書モードに入ってしまう。時間の経つのも気にせず、黙々と読むこと2時間。読了後、茫然自失となってしまうのであった。それにしても凄い。表題作の玩具修理者は本当にデビュー作かと野暮な疑いを持ってしまう程の傑作。女の語る玩具修理者にまつわる過去を恐怖に徐々に支配されながらも聞く男。驚愕のラストは世界の崩壊を目の当たりにすることになる。二編目の酔歩する男もやはり傑作。誰にでもあるような間違いが、男の恐るべき過去に収束されていく過程は、玩具修理者同様世界の崩壊が待ち受けている。この本を読めば、現実がいかに脆いものかと否応なしに認識する!ことになる。こちら側にストレートに伝わってくる恐怖はこの作品ならでは。一度お試しあれ。ところで、何でこの本が玄関に投げだされていたのかはいまだに不明。不思議なこともあるものです。