奨励会一日トーナメント、決着。
面々の憎たらしさは相変わらず。それでこそ、です。(もっとイヤラシクしてもいいかも)
対局の中での主人公たちの成長が描かれる横で、大人たちの思惑が交錯します。
新たに出現する謎も、徐々に明らかになる謎も、いまだ明かされない謎も。
久世の「見たもの全てを記憶する能力」とは一体なんなのか? 高辻図南の家族関係は?
トイ・ファースト社長や稲森会長たちの腹の底は? なぜ名人・弓削光晴は顔を出さないのか?
などなど、多くのカードを伏せたまま、トーナメントは幕を下ろします。
関西勢の強さがあと一歩ハッキリしないのが残念ですが、今後の展開が楽しみです。
気になった点をいくつか。
ご覧のとおり、3巻はタカ(高辻図南)が表紙を飾っています。しかしこれまでの1、2巻と違い、ラフスケッチ調のイラスト(消しゴムかけてない状態?)になっています。これはこれで迫力があるのですが、三冊の表紙をならべて見くらべてみるとなんとなく違和感があります。
またやはり本編とは関係ありませんが、巻末の詰将棋の最後の問題、あれ、持ち駒たりませんよね!? なにくわぬ顔で「3二金打」とか言っちゃってますけど、その金どっから降って沸いたんですか、そんなもの駒台にありませんよ!? ……と、いうわけで、細かいところですが脱字がありました。持ち駒の金が抜けてます。
……ところで。帯に聞き捨てならぬ文句が書かれてあるのですが――
「第1部堂々の完結!!」
ええ、第2部を楽しみに待ってますとも!
あ、それと、作中で登場する「佐藤プロ」が、おそらくモデルとなったであろう実在の「佐藤プロ」とそくりで実にステキでした。