絶対的権力の恐ろしさ
子供向けではなく、少なくとも中学生か高校生以上でないと意味するところが分らないかもしれません。大変静かな映画で、殆どバックミュージックがありません。淡々と映像が流れていきますが、そのことによって、絶対王政下、言論の自由のない、超高度な監視管理社会の不気味な息苦しさが伝わってきます。
セリフも殆どなく、目を覆うような残酷な場面もありません。ただ、王様がひたすら権力に任せて、あの手この手で執拗に少女(王様が惚れている)を追い回す場面が続きます。しかし、十分に絶対的権力の恐ろしさを、理屈でなく肌で感じることができます。その手法に驚かされました。
また、絶対的な富と権力を持っていても、孤独で誰も信用できず、全く幸せそうに見えない王様の姿。欲しいもの(少女)が手に入らず、どんどんヒステリックに追い回すようになっていく姿は、「幸せ」ってなんだろうと考えさせられます。
大変秀逸な映画です。
ただ、個人的には画風が生理的にうけつけませんでした。ウォルトディズニーとカリカチュア画の毒々しさと生々しさが混ざったような感じで、独特です。内容といい、不用心に眺めていると、頭を殴られたように重くなります。