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それがなければ生きていけないわけではないけれど、無くしたときにはとてつもなくヘコむもの。そして何かの折にふと取り出して眺めていると、若かりし日の切ない思い出に胸を締めつけられたり、「しあわせだなぁ」なんて人目も憚らずニヤついたり、なんだかじんわりと元気が出たりするもの。ここにあるのは、そんな愛おしい小品ばかり五作品。
派手ではないし、手がこんでいるわけでもないけれど、さらっと読めて、小さく感動し、忘れた頃にまたくりかえし読みたくなるのです。人様の書いたものではありますが、これはまるっきり自分のものとして愛でていいのです。きっと。
もしもあなたが藤沢作品を読んだことがないのなら、まずはこの一冊を手にとるべきです。あとは、放っておいても全作品を読みたくなるに違いありませんから。
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