誰もが名前だけは知っているであろう、玄奘三蔵。
彼の「大唐西域記」を元に、その旅路をたどっていくのが本書。
読みやすくも雰囲気のある文体で、当時のシルクロードの雰囲気が目前に迫ってくるような一冊です。
まず、玄奘三蔵の生い立ちから書かれているのがいい。
彼の記述した資料を詳細に分析した本はいくつもありますが、意外と玄奘三蔵本人のキャラクターにスポットを当てた本はなかった気がする。
とにかく、相当熱い人物であったことがわかります。
また、西域各地の風俗を玄奘がどう見たかという視点を分析しているのも興味深い。
たとえば、彼は西域各地の国々の言語をかなり詳細に観察しており、「○○国と○○国の言語は近い」などという分析をしたりしている。
これは著者も言うとおり、まるで現代の文化人類学者の視点であり、1400年も前にその域に達していたというのだから、驚くべきことだ。
とにかく面白い一冊でした。
本書はインドに到着したところで終わっているのですが、インドでの玄奘を書いた本も読んでみたいところです。