ルーゴン・マッカール叢書の第2巻目の本書は、アリスティッド・ルーゴンの妻ルネと、アリスティッドの連れ子のマクシムが、豪華な馬車に揺られて夕暮れの公園を駆ける場面から始まる。手段を選ばずに金持ちとなったアリスティッドの妻として美を咲き誇らせるルネの心は、破廉恥で危険な欲望をうずかせていた・・・禁じられた愛、熱帯植物や室内装飾、あやしげな料理屋の個室など、女性のエロスを高めるさまざまな設定を、ゾラは細部までえぐるように描写してみせる。「居酒屋」の地の底から響くような悲劇性こそないが、華麗な社交界で虚栄と欲の地獄に悶えるような美男美女のドラマは、それなりに読み応えのあるものである。
ルーゴン・マッカール叢書の「金」を読む前後に読むと、アリスティッドやマクシムがどうしてああいう人間になったか、よく分かるので、併読がおすすめです。