アメリカの謎の“陰謀論者”であり、米民主党大統領候補に立候補もしている、リンドン・ラルーシュJr.の主宰する「EIR」誌からの抜粋集である。しかし、肝心のラルーシュの書いている文章は、全く意味不明で、あまりネオコンとも関係がない幾何学の話なので、第6章までは読む必要がない。むしろ注目なのは、第6章以下の、ジェフリー・スタインバーグによる論文集。ネオコン派の精神的支柱となった、アメリカ・シカゴ大の哲学教授、レオ・シュトラウスのスクールや、親イスラエル系人脈の徹底解剖の部分。そのほか、戦前のシナルキズム(アナーキズムの正反対で国家権力による全体主義体制)についての文章もあるが、どこまで本当なのかわからない。カール・シュミットだけではなく、シュトラウスと地政学者のモーゲンソーまで「全体主義者」に分類しているのには異論も多いだろう。