原作者が監修しているだけあって脚本・構成は素晴らしく「あのイベントがここで生きてきた」
「あのエピソードがここに繋がってきた」と何度も感心させられた。
登場人物も魅力的だったがイチオシはイアル。CVの鈴村氏が主演の某アニメキャラと共通点が多く
三流脚本家によって主人公とは思えない不当な扱いを受けた経緯を知るだけに本作では思わずニヤリ(笑。
テーマは「母と子」そして「人と獣=自然」という事になると思うが、
後者に関しては「風の谷のナウシカ」と比較すると興味深い。
ある程度、不思議な能力を持っていたナウシカに比べ、エリンは聡明ではあるものの、
特別な力は持っておらず(母方の血族のため周囲がそう思い込む場面はある)
経験と観察、努力の積み重ねによりリランとの絆を築いていく。
しかし時にその事に安住してリランに潜む獣性を見落とし、しっぺ返しも受ける。
一方、アケ村では闘蛇の赤ん坊を可愛がっていたのに、ジョウン編以降は王獣に比べて
闘蛇にさして思い入れが見られなくなるのは、やはり母の死のトラウマが深いのだろう。
人間の価値観に捉われていないナウシカほど広い視野は持っていないが、
むしろエリンの方が人として地に足をつけた形で動物に接していくので共感し易かった。
人によって好みは別れるが自分にとってはテーマ性に関して「ナウシカ」以上の作品。