週刊文春1984年 国内5位
サラ金の毛塚支店長が射殺死体で発見された。彼の身辺を捜査していくうちに、菊地警部は、数字が羅列された文書を見つける ・・・
鮎川哲也氏との連作が上手くいかず、藤雪夫氏が娘の桂子氏との競作で30年ぶりに完成させたという作品(とのこと)。菊地警部シリーズの第1作目。
プロローグは、何かを予感させる滑り出し、エピローグは、悲しい余韻を残す、決着のつけ方。が、途中がもたもたしていて、そんなに長いものがたりではないが、疲れてしまう。3件の殺人事件に、暗号解読あり、時間差トリックあり、列車を使った不在証明ありと、サービス精神は旺盛なんだけれど、登場人物、特に菊地警部が魅力的じゃない。本格ものは、必ずしもヒトが描けていなくとも気にしないが、しんみりしたラストをもってくるのであれば、もう少し登場人物をいきいきと活動させて欲しかった。上司の相沢とのかけあいも、そこから信頼関係というものが見えてこないし。トリックありきで、物語をつなげた印象が大きい。前半の第一の美しい容疑者とか、探偵とか、以降のシリーズのどこかで顔を出すのだろうか。途中でぱったりあらわれなくなってしまうけど。
つまらなくはないが、特別面白くもないという平凡な感想しか出てこないなぁ。