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獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
 
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獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) [文庫]

横溝 正史
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (37件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

瀬戸内海に浮ぶ獄門島-南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。金田一耕助に託された遺言が及ぼす波紋とは? 芭蕉の俳句が殺人を暗示…。(中島河太郎)

登録情報

  • 文庫: 353ページ
  • 出版社: 角川書店; 改版 (1971/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4041304032
  • ISBN-13: 978-4041304037
  • 発売日: 1971/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (37件のカスタマーレビュー)
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 あくまで、個人的見解では、ありますが、横溝正史著『獄門島』は、パズラーの最高峰の高見に上り詰めた作品といえるでしょう。これ程の作品は大横溝でも2度書けなかった。それぐらいバランスがいい。あるいみ神懸り的な作品です。もっとも50年以上も前の作品を持ってきて「最高です!最高です!」と連呼してもあまり意味がないかもしれない・・・それにそれを連呼することは、それ以後のミステリ作家の努力を軽視しているようで失礼な気さえする・・・しかし、このバランス感は捨てがたい・・・それぐらいパランスがいいのです。

 犯人が仕掛けるトリックや解明のプロセスは、詰めが甘かったりして「こんなにうまくいくのか?」という疑問がないわけではありません。こうした点は横溝正史というひとは甘い部分があって「エラリー・クイーン」だったらもっと緻密にするだろう、怪奇趣味もカーならもっと過剰に書くだろう・・・しかし、細部の不満が全体としては欠点になっていない。全体の構成の上手さが細部の欠点をカバーして、気にならない仕上がりになっています。なによりも人間が生き生きしている。題名からおどろおどろしい印象を受けがちですが、むしろ全体的に明るい雰囲気さえ漂っている。山狩りの場面で金田一耕助と床屋の清公の掛け合いに思わず、ニヤリとしていまう・・・しかし、この部分が解明の重要な伏線になっていて非常に上手い。全体として描写や登場人物に無駄がないのです。また、『本陣殺人事件』でもそうでしたが、トリックが犯人の人間性と有機的に結びついていてトリック自体が犯人を象徴している点は驚嘆に値します。トリックから逆算してプロットを組んだと思わせないのプロット作りの手際の上手さがあり、結果として人間関係や諸々の出来事の重なりから事件が起きているのだという印象を受ける・・・いわゆる日本人が考える「黄金期のパズラー」でなく「モダーン・ディティクティブストーリー」であり、少しも古くなっていない。恐るべき作品です。「横溝はカーの影響が・・・」がとよく言われましたが、むしろ、作風自体はクリスティに近い。クリスティ好きなら間違いなく感服するでしょう。

 もっとも、評論家的な立場に立った時は、『獄門島』は横溝正史の最高作であると断言するのですが、個人的な趣味でいうと、『犬神家の一族』『悪魔が来りて笛を吹く』の方が贔屓だったりする・・・この辺が個人の趣味で難しいところですね・・・

 追記:「獄門島」といえば、動機が弱い。テーマになっている仕掛けをする必要があったのか?という疑問がよく口にされます。ああ、個人的にはなんて浅い読み方であろうと思うのです。テーマの部分を取り上げれば厳密に云えば、必然性はなかったとしか言いようが有りません。にもかかわらず、一見、無意味でしかないことががなぜ起こってしまったのか?「なぜ」の為に、横溝が苦心して舞台を作り、人物を配置し、プロットを組んでいることに気付いていないのでしょうか?批判者がこうして点を見逃しているとしたら、不幸としかいいようがありません。いうならば、非合理的なことにリアリティを持たせるために、あの世界が必要だったのです。再読時にこのことをわかっていると第一章からすでに横溝の大胆なの手際がみられ感嘆するにちがいないのですが・・・・
 加えて、「動機」について、「今ではこうした事件は起きないよ」という人。「獄門島」や「網元」といった部分を「会社」「国家」「組織」「家族」に置き換えてみてはどうでしょう?本当にこうした事件は現代では起きないのですか?私には、松本清張の「点と線」にはリアルティがあって、「獄門島」にはリアリティがないというのは、どうも理解できません。たしかに現代においてストレートに「獄門島」で提示された動機で事件はおきないでしょう。しかし、人間が組織と無関係で生きられないの今も昔も変わらない。ゆえに、本質的には「獄門島」的動機は、今の社会にも確実に存在するのです。
 そんな訳で、今のなお私の中では「獄門島」の犯人はリアリティをもって存在しているのです。2011/6/11
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20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
贅沢 2003/11/12
By radio5
 金田一耕介シリーズを読み返しています。小学生か中学生の頃に幾つか読んだ筈なのですが、僕の記憶力をもってすれば、もはや新作を読んでいるのとそう変わらず、実に新鮮な気持ちで読めるのでした。
 それは兎も角。

 いわゆる「本格」ミステリということでいえば、金田一シリーズの中でも最高峰に位置する一つではないでしょうか。見立て殺人をベースに、クイーンばりのロジックによる謎解き、横溝正史独特の、日本型村社会における因習の業、などが満載です。一個の作品が出来るレベルと思われるトリックが、複数盛り込まれているのも贅沢極まりなし。ま、金田一耕介はあまり役に立っていないという気は確かにしますが‥‥。
 改めて思ったのは、推理小説としては言うまでもなく、一個の小説として横溝作品は面白いという事実でした(何を今更)。ちょっと古いし、大御所過ぎて何となく敬遠しているミステリ好きの人も居るかと思いますが、やっぱり横溝正史は避けて通れない、という気がします。

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27 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
この作品をきっかけに金田一耕助シリーズを集中的に読んだが,
多くの人が言うように,この作品が「金田一耕助シリーズの最高傑作」だと思う.

三姉妹の最後の殺人は無理があるという批判も理解できるが,
犯人と思われた犯罪者が島に逃げ隠れており,
この犯罪者を捕まえるために村人・警察が動員されていることを考えると,
それほどおかしくないと思う.

普通,殺人の動機は利害関係・怨恨・快楽のいずれかだろうが,
三姉妹殺人の実行犯にはどれもあてはまらない.

実行犯は,金田一が(そして読者も)想像もしていなかった人物であり,
金田一が事件の真相を解明できたのも,
実行犯の一人が屏風にヒントを与えてくれたからである.

この作品に不満な人は再読してほしい.
いろいろな伏線が巧妙に張巡らされていて,
美しい構成であり,
しかも後の金田一シリーズにあるような過剰な部分がほとんどない.

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