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獄に消えた狂気―滋賀・長浜「2園児」刺殺事件
 
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獄に消えた狂気―滋賀・長浜「2園児」刺殺事件 [単行本]

平井 美帆
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

刑法39条1項「心神喪失者の行為は、罰しない」―なのになぜ、彼女は裁かれたのか?園児の小さな身体を二十数箇所も刺し続けた「中国人妻」。統合失調症に罹患し、通常ならば不起訴処分となるはずだった。しかし―。面会と書簡を重ね垣間見えた、女の心を蝕む漆黒の闇。加速度的に悪化していく症状の中で、彼女が辿った無期懲役への道程を追う。戦慄の事件ノンフィクション。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

平井 美帆
1971年、大阪府吹田市生まれ。1993年、南カリフォルニア大学舞台芸術学部卒業。アメリカ在住の頃から現地の情報誌に執筆する傍ら、日本の雑誌に海外ルポを寄稿。2002年帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 221ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/08)
  • ISBN-10: 4103308915
  • ISBN-13: 978-4103308911
  • 発売日: 2011/08
  • 商品の寸法: 19.9 x 13.8 x 2.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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毎度のことだが、新聞やテレビでは事件を掘り下げることはしない。雑誌は書くが、ドラマチック仕立てにしたがり、本当のことはよく分からない。確かに本書は淡々としている。書く人が書けば、被害者の立場ならお涙頂戴的記事になるだろうし、加害者なら中国人妻の生い立ちから、日本での過酷な現状など、あるいは中国人妻を糾弾する内容にもなるだろう。そのいずれでもない本書のとる立場は、ただ加害者となった中国人妻の言い分を聞くということである。幼稚園への送迎方法の是非についても触れない。取材を試みて拒絶されたのかもしれないが、殺された児童2人の親の話もない。登場する人物はみな、中国人妻側の人だけだ。その不備はやはり大きい。そのせいで本書はどうしても平板になっている。しかし、事件後の中国人妻のことをここまで追いかけたメディアが見あたらないことを考えると、その価値は小さくないと思う。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 読んでいて、身につまされる部分が多かった。自分自身も、海外に住んでいるときに、子供を幼稚園に通わせていた経験があるからだ。ちゃんと言葉は覚えているだろうか。友だちはできただろうか。ちゃんと他の友だちと楽しく遊んでいるだろうか……。毎日、毎日心配だった。もちろん、失われた幼い命を思うと無念でならない。どんな理由や原因があろうとも、永善の犯した罪は許されるべきではないとも思う。
 しかし、この事件を丹念に追って、犯人の永善がなぜこんな残酷な惨殺事件を犯したのかに迫った筆者の努力には敬意を表したい。
 永善という人物は、いつもここではないどこかを求めて、結局、さまよい続けてしまったのかもしれない。もちろん私自身は、今のところ、犯罪を犯すこともなく、統合失調症にかかったことも、今のところない。だが、本書を読んで、永善と自分自身は、そんなにかけ離れたところにいたわけではないような気がした。ここではないとこか、を探して今の自分の殻を破ろうと考えている人は、少なくないのではないだろうか。
 そこから惨殺事件を犯すようになってしまったのは、なぜなのか。事件発生以後、大メディアが見向きもしなくなった後に、本書が残された意義は大きいと思う。
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 この事件のことを初めてニュースで知った時、大きな衝撃を受けた。母親がわが子の目の前で、その子供の友達を刺殺するというセンセーショナルな事件は、その当時大きく報道された。 
 なんとひどい母親なんだろう。悪魔のようは女ではないか。と私も含め当時多くの世の中の人々はそう思ったに違いない。
 確かに残酷な事件であることに間違いはないと思う。間違いはないのだが、この本のように、主に「加害者」である中国人妻側を丹念に取材し、その心の闇を探ろうと懸命に筆者が書き記したものを読んだ後、この犯人をただ憎むだけですむのか。と深く考えさせられてしまった。
 特に後半は、まるで筆者とともに、中国人妻の表情、心を動きを一緒に追っているようは錯覚さえ覚えるほど臨場感があり、それは筆者の筆力がなせる技であろう。
 「被害者」「加害者」と単純に括ることの難しさ、人が人が裁くことの難しさを思った。これは、死刑に反対する人達と賛成する人たちの論争にもつながる難しさでもあるかもしれない。そして、加害者側にも事情があったとはいえ、被害者が存在し、また遺族の深い悲しみ、怒りは計りしれないということは厳然たる事実だ。
 テレビの報道では伝えない真実を知ることのできる一冊だと思う。力作です。
 
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