早川書房の新レーベル《想像力の文学》
その記念すべき第一回配本となった本作。
血まみれあり、人肉食あり、乱交あり、スカトロあり―と
胸の悪くなる短編を中心に収めた超弩級の作品集です。
村に伝わる《儀式》の一夜。
儀式の主役である少女に恋をした少年の淡い心情を描く(『初恋』)
目が覚めると浴槽いっぱいの鼻血の中にいた−ある女性にふしぎな出来事の顛末(『遠き鼻血の果て』)
などなど私の個人的嗜好とはずいぶん違うので
笑ったり、興奮したりはしなかったものの
どの作品も忘れがたい強烈な印象を残します。
とりわけ、表題作『猿駅』の主人公が殺しの恍惚に目覚める場面では
一瞬、その感触や恍惚がわかりそうな気がしてしまい、
そら恐ろしくなりました。
そうした作品の一方で
事故で亡くなった最愛の妹が、
蚊に生まれ変わったと信じるヤクザを主人公にした『か』
人間に進化したばかりのサルと女子高生の逃避行
そして、それに振り回される人々の様子をユーモアとともに描いた『猿はあけぼの』
など、静かに心を打つ作品やファンタジー作品もあり
なんだかんだ言いながら全編夢中で読み終えていました☆
筆者が今後どのような作品を出していくのか
あまり近づきすぎず、チェックしたいなぁと思います☆
一生ものの(傷を残す?)読書経験になること間違いなしの本書
ちょっとアブナイ世界にお目覚めの方はもちろん
常識の外へと一歩踏み出してみたい、
自分の中に眠るひそかな欲望に気づいてみたいたい
そんな方は、ぜひ、それなりの覚悟を持ってお読みください。