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猿丸幻視行 (講談社文庫)
 
 

猿丸幻視行 (講談社文庫) [文庫]

井沢 元彦
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第26回(1980年) 江戸川乱歩賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

猿丸大夫、百人一首にも登場するこの伝説の歌人の正体は?“いろは歌”にかくされた千年の秘密とは……。眼前に展開した友人の悲劇的な死のなぞを解き明かす若き日の折口信夫の前に、意外な事実が次々に姿を現わしていく。暗号推理の楽しさも満喫させるスリリングな長編伝奇ミステリー。第26回江戸川乱歩賞受賞。


登録情報

  • 文庫: 389ページ
  • 出版社: 講談社 (1983/08)
  • ISBN-10: 4061830791
  • ISBN-13: 978-4061830790
  • 発売日: 1983/08
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 軽快なタッチで古代日本史の謎に迫る, 2002/10/4
レビュー対象商品: 猿丸幻視行 (講談社文庫) (文庫)
 第26回の江戸川乱歩賞受賞作。
 ややSF的なアプローチで始まるものの、猿丸太夫=柿本人麻呂説と”いろは歌”の謎を解き明かしていくストーリイ。”いろは歌”を使った暗号ミステリーも舌を巻くが、歴史ミステリーとしても充分成り立つと思う
 謎解きの最後で出くわした、本編最大の謎に関しては未消化であるが、この展開ならば納得が行くだろう。

 一気に読んでしまう筆致は、当時まだ若かった筆者を考えると小気味良く、また、かなりの博識振りが伺えた。
 謎に迫る中で、以後『逆説の日本史』を上梓している筆者の片鱗が垣間見られるのは興味深い。

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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 これが独自のアイデアだったら..., 2006/9/10
By 
紫陽花 "玲瓏" (神奈川県相模原市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 猿丸幻視行 (講談社文庫) (文庫)
歴代乱歩賞中の最高傑作。ただし、梅原猛氏の「水底の歌(柿本人麻呂論)」及び篠原央憲氏の「いろは歌の謎」の両書がなかったらの話である。

折口信夫を主人公にするというアイデア、百人一首中の歌の暗号の鍵を「いろは歌」の謎に求める手段、猿丸太夫が歌人集団だったという説、そして柿本人麻呂の官位と死の謎等々、読者の興味を惹く話題は全て冒頭の両書からの借り物である。作者自身で考えたと思われる末尾の殺人事件は全く平凡で詰まらない。作者がこの後ミステリ作家を諦め、歴史ライターの道に転進したのは正解だったろう。

しかし、この両書の存在を無かったことにすると途轍もなく面白いのである。実は、本書をキッカケに私は梅原猛氏の諸作品を読むようになった程である。この点、作者は元々創造が得意と言うより、興味をそそる諸要素を巧みに組み立てあげるルポ・ライターの素養があったのだと思う。両書の存在を無視すると乱歩賞史上最高傑作というだけでなく、日本ミステリ史上に残る傑作歴史ミステリ。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 歴史ミステリーの嚆矢, 2006/7/17
レビュー対象商品: 猿丸幻視行 (講談社文庫) (文庫)
「1000年間ある一族に伝わってきた暗号。そしてその暗号には歴史を根本からひっくり返すような謎が隠されている。」

これがこの小説の基本プロットなのだが、これは世界的に大ヒットした「ダ・ヴィンチ・コード」にそっくりである。

また、膨大な薀蓄が語られているところもよく似ている。

この作品は暗号解読を中心とした歴史ミステリーの嚆矢といってもいいだろう。

謎の人物は、伝説の歌人・猿丸大夫。

謎を解く鍵は暗号化された和歌に隠されており、その謎に若き日の折口信夫が挑戦する話だ。

話としては単純なのだが、暗号である和歌および古代史に関する薀蓄がもの凄い。

よくぞここまで綿密に調査し、娯楽小説として構築したものだと脱帽するしかない。

だが、本書を娯楽として楽しむには、基本前提として、和歌・古代史に関する最低限の知識が必要だろう。

何度も説明を読み返さないと暗号解読の経緯がわからなくなる。

正直、和歌に関する知識の薄い私には難解過ぎた感はある。

しかし、非読書家層に迎合した「大きな活字」「簡単なプロット」「平易な表現」で書かれた「誰にでも読める娯楽小説」が氾濫している現状に辟易している私としては、このような読み応え十分の作品は歓迎したい。

読書とは知的娯楽なのだという事を再認識させられた。
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