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ハリウッド映画では「冒険家と美女」的なステレオタイプな活劇風に味付けしてあり、特殊メイクと衝撃的なラストシーンが話題の中心である。しかし原作では一人称で語られる苦悩に満ちた内容である。SFの形を取ってはいるが「差別や偏見」そして「知性とは?」「人間とは?」という問いかけに終始満ちている。さらにひとひねりした終わりかたと言い、ハリウッドからはかなり距離がある感じである。公開当時のことは知らないが、原作を読んでいた人はかなりがっかりしたのではないだろうか。
むしろ映画をご覧になった方に読んでいただきたい作品です。
1968年、2001年と、2回も映画化されていますが、どちらとも同じ話ですし、どちらとも違う話です。
つまり、両方の映画を観た人も、この小説は十分楽しめます。
映画化された小説で、小説も映画も両方素晴らしいという例はほとんどないが、「猿の惑星」はその稀有な例と言えるだろう。
猿が人間を支配する世界という基本コンセプトは同じだが、映画と小説は別物として考えた方がよい。
作者のピエール・ブールは第二次大戦中に日本軍の捕虜となった経験があり、その時の経験をもとに「猿の惑星」を書いたという。
つまり、当時の欧米人にとってアジア・アフリカの民は猿同然の存在であったのだ。
その猿同然の日本人に捕虜として収容され、支配された時に感じた屈辱。
さらにその猿同然の日本人の方がフランス人より優れた兵器を製造し、敗北した事に対する恐怖。
「自分達は猿同然の日本人に立場を逆転されてしまうのではないだろうか?」
と。
そういう気持ちが創作の動機となったようだ。
もちろん日本人の僕は、そうした欧米人の白人至上主義が不愉快で大嫌いだ。
だから☆一個マイナス。
だけど、その感情をこうした創作活動にむけて素晴らしい作品に昇華させた事には素直に敬意を表したい。
創作にいたる背景はともかく、作品自体は文句なく面白いのだから。
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