このような短い物語は、一気にたくさんつめこむよりも、少しずつ想像をふくらませながら味わう方が絶対に楽しいと思うのです。特に、朔太郎のような、言葉の一つ一つが心にささる詩人が著者の場合は。けれど、お菓子の袋を開けたら我慢できずに最後まで食べてしまうように、頁を開いたらすべて読みたい。だから作品集だと、一度目はやや食傷気味になってしまいます、どうしても。こんな私にとって、このパロル舎の『猫町』は理想的でした。字の大きさも言うことありません。更に、もうイメエジは具体化されているのです!寂しげで、怪しげで、でもどことなく可愛らしい金井田英津子さんの挿絵で。これほどトリップにふさわしい本はありません!「三半規管の疾病」を持っていなくても、「猫町」を訪れた気分!になれることうけあいです。