《ススキノ探偵シリーズ》は時代とともに登場人物が歳をとる点、正式な依頼の下で捜査をするのではなく、知り合いに便宜を図るために仕事を請け負うという点など、NYのアル中探偵マット・スカダーシリーズと重なる部分が少なからずあります。当のスカダーは飲みすぎてアル中になって禁酒する破目になりますが、なんか状況が似てきて不安です。
本作では相変わらず《俺》はススキノで酒を飲みまくっていますが、本作では、飲んでいて知らないうちに眠ってしまっていたり、記憶がとんでいたり、話したこと自体の記憶がなかったりと、かなりアル中っぽい記述がちらほら出ていることが気になりました。このまま体を壊して酒を飲めなくなる安易な展開にはなってほしくないものです。作者はよく次作の展開を前の作品に仕込んでおくことが多いので少し嫌な予感がします。
今回は350ページと最近の作品に比べて適度な分量で読みやすかったですが、その分ススキノ・パラレルワールドの記述が少なめで、シリーズ読者としてはかえって物足りない印象を持つのではないでしょうか。本シリーズはむしろサイドストーリーてんこ盛りの重量級の作品のほうが喜びが大きいと思います。