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猫についての描写とともに、戦後の日本住宅が繊細に描かれています。作品全体に情感たっぷりに描かれているが、物事を突き放した視点もあり、うっとうしさはまるでありません。
美しい日本語は、読書に通じているいる人にはもちろん読むに値しているが、いわゆる「ねこ好き」と思われる人にも十分楽しめる内容です。
猫は隣家の猫で
主人公の借家には客として登場する
猫は所有の叶わない純粋な動物としてのしなやかさの中から
猫自身の意思で人の“友達“となっていく
もちろんそれは人間側の解釈でしかないのだが。
しかし、そう思うのが自然な描写で借家への客は
のびのびくつろぐ姿を存分に披露してくれる。
合間には妻との絶交や他の猫との交流も描かれる
ある日不意に世界を映し出す主体であるところの猫の不在を迎えるも
世界は色を失いつつも尚も美しく展開していく
生と死の間で人の心は揺れ動き
生き残ったものは迷いの中でなおも生きていく。
読み終えた後のこの
ぐったりとくる疲労感は何だろう
詩人のことばでつづられるこの世界は
あまりにも繊細で短い中にも感じる事が多すぎて
何を感じたのか知りたくて
もう一度読み返そうと思いながらも
向き合うのが少しためらわれた
いつかきっと。
それまでは
しばらく頁はめくれそうにない。
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