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猫の客 (河出文庫 ひ 7-1)
 
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猫の客 (河出文庫 ひ 7-1) [文庫]

平出 隆
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

稲妻小路の光の中に登場し、わが家を訪れるようになった隣家の猫。いとおしい訪問客とのこまやかな交情。しかし別れは唐突に訪れる。崩壊しつつある世界の片隅での生の軌跡を描き、木山捷平賞を受賞した傑作。

内容(「BOOK」データベースより)

はじめ“稲妻小路”の光の中に姿を現したその猫は、隣家の飼猫となった後、庭を通ってわが家を訪れるようになる。いとおしく愛くるしい小さな訪問客との交情。しかし別れは突然、理不尽な形で訪れる。崩壊しつつある世界の片隅での小さな命との出会いと別れを描きつくして木山捷平文学賞を受賞し、フランスでも大好評の傑作小説。

登録情報

  • 文庫: 173ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2009/5/30)
  • ISBN-10: 4309409644
  • ISBN-13: 978-4309409641
  • 発売日: 2009/5/30
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 263,406位 (本のベストセラーを見る)
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By off
形式:単行本
この本は淡々とした言葉づかいの美しい文体で、猫にまつわる回想が描かれています。
作品随所の猫への愛を感じる描写を目にすると、「所有すること」と「飼うこと」は違うということを突きつけられます。同時に猫のいる生活がこんなにも潤いがあるものなのかと、読みながらうらやましく思えてきました。

猫についての描写とともに、戦後の日本住宅が繊細に描かれています。作品全体に情感たっぷりに描かれているが、物事を突き放した視点もあり、うっとうしさはまるでありません。
美しい日本語は、読書に通じているいる人にはもちろん読むに値しているが、いわゆる「ねこ好き」と思われる人にも十分楽しめる内容です。

このレビューは参考になりましたか?
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
これは詩人である平出隆の私小説であるらしく
80年代から90年代前半までの日常の変化を
チビという1匹の神秘的な猫の視線を通して書き綴っていく。
その風景は美しくも朧ろ気で
丁度終わったところ、というその時代を
早くも忘れかけている人々にほんわりと話し掛けてくる

猫は隣家の猫で
主人公の借家には客として登場する
猫は所有の叶わない純粋な動物としてのしなやかさの中から
猫自身の意思で人の“友達“となっていく
もちろんそれは人間側の解釈でしかないのだが。
しかし、そう思うのが自然な描写で借家への客は
のびのびくつろぐ姿を存分に披露してくれる。
合間には妻との絶交や他の猫との交流も描かれる

ある日不意に世界を映し出す主体であるところの猫の不在を迎えるも
世界は色を失いつつも尚も美しく展開していく
生と死の間で人の心は揺れ動き
生き残ったものは迷いの中でなおも生きていく。

読み終えた後のこの
ぐったりとくる疲労感は何だろう
詩人のことばでつづられるこの世界は
あまりにも繊細で短い中にも感じる事が多すぎて

何を感じたのか知りたくて
もう一度読み返そうと思いながらも
向き合うのが少しためらわれた

いつかきっと。

それまでは
しばらく頁はめくれそうにない。

このレビューは参考になりましたか?
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
詩人による私小説風散文。猫、古風な日本家屋、庭に芽吹く草花と昆虫たち、そして中年にさしかかりつつある主人公夫婦。彼らの織り成す日常の細部を詩情豊かに描き出した好著。バブル経済に沸く狂騒的な時代背景が作品に陰影を刻んでいる。マーケッティングを念頭にした小説や、派手なドラマ仕掛けに依拠した作品の対極に位置している。こういった作品を楽しむ心的余裕、落ち着いた時空間、それをどれほど多く持ち得るかがすなわち人生の豊かさ表しているように感じられる。文学作品としての凄みはないが、気品に満ちた文章が心に静かに染み入り深い余韻を残す。
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