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19 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
人はその場にいない人の話をする。,
By sorin (神戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 猫と針 (単行本)
恩田陸初戯曲「猫と針」の台本書籍版。演劇とはいえ、派手な仕掛けはなく、淡々と会話だけで進む。 著者お得意の心理サスペンスの会話劇。 劇を行ったキャラメルボックスで先行して書籍が発売されたが、 内容の違いはなく、表紙があちらは役者の方という違いのみ。 普段台本をベースにした書籍をあまり読まないためか、話す人物の上に名前が書かれているという表記や、モノローグや説明文がないというのも違和感を覚えたが、 実際に劇場で見ていたことを思い浮かべて楽しく読めた。 …一方で劇を見ていない方にはどう映るのだろうと感じた。 DVDも発売されているが、7500円と中々高額で、演劇物はなかなかレンタルにならないからなあ。。。 読みながら、非常に「チョコレートコスモス」の中の劇中劇を思い浮かべる。続く「中庭の出来事」から連綿と連なる、演劇や戯曲への思いを感じられる一冊。 書き下ろしの、前日談から後日談を追った著者独白の「『猫と針』日記」も魅力的。 また、舞台が葬式帰りということで、「朝日のようにさわやかに」に収録されている短編「楽園をおわれて」を思い浮かべた。 こちらの話の方がよりミステリに近く、不穏な雰囲気を感じる。 すでに亡くなった人の話をする、そこに居ない話をするという点、さらに得意のオープンエンドという共通点も多いことから、未読の方はゼヒ御一読を! 「懺悔ってすっきりするもんだな。今、すごくすっきりした。秘密を墓場まで持っていける人間って、本当に偉大だわ。俺にはできない。推理小説でも、二時間ドラマでも、死に際とか、日本海の崖っぷちで告白しちまうわけがよく分かった。」本文76ページより
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
小説とはまったく違う世界・・・,
By ゆこりん (北海道) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 猫と針 (単行本)
おそらく戯曲を読んだのは初めてだと思う。限られた空間の中にいる5人の会話から、読み手はさまざまなことを推し量らなければならない。 どんなしぐさで、どんな口調で、どんな表情で?それは読み手によって かなり違うものになるような気がする。小説を読むのとはまったく違う。 読むのにかなり神経を使った。読み手がこれだけ苦労するのだから、 書くほうはもっと大変だったと思う。その大変な苦労が、「『猫と針』 日記」に切々と書かれている。読んでいると胃が痛くなりそうだ。 でも、自分が頭の中で作りあげた世界とどれくらい違うものなのか、 実際の公演を見たかった。見られないのが残念!
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
小説家が書いた戯曲を読む,
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レビュー対象商品: 猫と針 (単行本)
私は恩田陸さんの本を数冊読んだことがある程度の読者ですが、彼女の作風というか、小説の会話からうける印象をとおして、きっと、作者はそのうちに戯曲を書くことになるのではないか、という漠然とした想像をしていました。もしもアガサ・クリスティーやロベール・トマのようなウェルメイドな推理劇を本書に期待するとしたら、謎は完全には解明されないまま幕引きとなってしまうので、なんだか取り残されたようなもどかしい気持ちになるかもしれないですね。別にそれほど難解なわけでもないですが。 あえてプロットには触れませんが、たとえば、第二場と第三場の終わりの登場人物たちのモノローグの羅列は、演劇というよりも小説の地の文による説明に近いという気がしました。鴻上尚史さんの「小説を書く人の芝居だなあ」という感想は、言い得て妙。私も同感です。 併録の「『猫と針』日記」によれば、お芝居のタイトルと冒頭のシチュエーションしか決まっていない状態で舞台の企画がどんどん走りだしたため、大変な苦労をして公演間際にどうにか台本を書きあげた由。作者は本意でなかったようですが、プロだけあって一定の水準に達している。私にはそう感じられました。 蛇足。私、キャラメルボックスの公演は未見です。
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