委員会は2002年にスタートしたが、民営化の組織形態などを巡って議論が紛糾。意見書(答申)は一本化できず、多数決で決める事態となり、今井敬委員長は辞任した。本書は、その裏事情を赤裸々に明かしている。
著者は、国民にとっての関心事は借金返済、料金値下げ、コスト削減であるとの信念を持ち、「上下一体論」にも、公団への税金投入にも強く反対した。2003年末、日本道路公団を民営化と同時に3分割すること、4公団の資産と債務は保有・債務返済機構が引き継ぐことなどを盛り込んだ政府・与党の「民営化の基本的枠組み」が決定した。メディアは「公団民営化は骨抜き」と批判したが、著者は「なんとか『及第』はとれた」とする。
委員の多くが辞任・欠席状態となった後も、著者は公団の膿出しを続け、偽造ハイウェイカードによる巨額損失、無駄な社宅や豪華保養所の実態、官製談合の事実を明るみにしていった。関係者との生々しいやり取りも記された、迫真のドキュメントである。
(日経ビジネス 2006/05/15 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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