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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人と狼の世界を行ったり来たりの悲しい存在。,
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レビュー対象商品: 狼の血族 デジタルニューマスター版 [DVD] (DVD)
80年代の三大人狼映画と言えば、「ハウリング」(80)、「狼男アメリカン」(81)、そして本作(84)であると個人的に思っている。どの作品も素晴らしいSFX駆使の変身場面が見応えありで驚愕ものだが、作風がそれぞれ異なる所も監督の手腕の見せ所である。 本作はグリム童話に目を着け美少女(ヒロイン)の観点から創り上げた怪奇ファンタジー・メルヘンチック・ホラーとでも言うべきか、悪夢と言うより幻想的で摩訶不思議な、それでいて悲哀で物悲しい独特の世界を見事描き切った新感覚人狼物であった。(お伽話と人狼伝説の合体である。) 過去の作品にも増して変身場面も奇抜で斬新だ。「人間(羊)の皮を被った狼」の如く、皮膚や肉皮を引き裂き内側から変異体が飛び出して来るグロテスクな描写は一見の価値有りで変身後は狼その物と成る拘りであり、更に劇中三度別な趣向で展開されるサービス振りだ。(一つはコメディ仕立てで軽い。) 凝った物語展開も秀逸で眠るヒロインの夢の中で更にオムニバス形式でエピソードが進行する凝りようである。その中でヒロインはチャーミングでコケティッシュな魅力溢れながらも幼馴染の男の子を手玉に取り嘘つきでしたたかな所が面白い。 名優達をさり気なく脇役で使う所もなかなかでヒロインを引き立てながら個性を発揮していたし、森の中のセット美術による妖しく美しい光景はまさにダーク・ファンタジー色濃厚で効果覿面である。 夢と現実が交錯する様な幻想的なラスト場面が余韻を残してくれる。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
物凄く懐かしい。。。,
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レビュー対象商品: 狼の血族 デジタルニューマスター版 [DVD] (DVD)
昔観た映画を色々と検索してて。。。ふと思い出し、物凄く懐かしくなった。 まさかこの映画がDVD化されてるとは思いもしなかったからビックリです。 これは当時16才くらいだったか。 当時まだビデオデッキを持っていなかった私は 近所に出来た4畳ほどの狭ーいレンタルビデオ屋で借りた作品です。 その店はデッキもレンタル出来たので(なんと一台レンタル2000円もする)お陰で観る事が出来てました。 随分とレンタルにお金を注ぎ込んだ時代のベスト10に入るタイトルです! そんなことはどうでもいいか。 これは、とにかく幻想的の一言。 当時かなり魅了された作品の中のひとつです。 寓話が実は残酷。。。という、今でこそよく言われて久しいですが、 当時はあまり言われてなかった時代だったと思われる。 特殊メイクも、最近ではCGでどうでも出来良く作れるので比べること自体意味はないのですが、 徐々に狼になるシーンなどはその時釘付けで観てました。 逆に今観ても味のあるシーンではないかなぁ。 決して雑には造っておらず、むしろ丁寧でちゃんとしてます。 CGが使われてない時代の物の中で技術的にも一歩抜きん出ているのではないでしょうか。 でもそんなのは問題ではなく、やはり赤ずきんちゃんの可愛さ、 それを倍増させる映画の中の独特の色味。世界観。 時に上品であり、時にとてつもなく恥美で下品な印象すら覚えるこの作品。 個人的に大好きです。 手に入らなくなる前に購入します! イギリス人名俳優たちの演技も素晴らしい。 特に「スーパーマン」「スターウォーズ/ファントム・オブ・メナス」「ホーンテッドマンション」他、 数々の作品で渋い魅力を放っているテレンス・スタンプ、いいですねー。 今では殆どお目にかかれないナスターシャ・キンスキーも観れる貴重な映画でもあります。 ダークファンタジー系が好きな方、是非どうぞ。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
夜伽話にようこそ,
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レビュー対象商品: 狼の血族 デジタルニューマスター版 [DVD] (DVD)
屋根裏部屋でまどろむ少女。その周りには、ぬいぐるみや人形。少女の唇には真紅のルージュ。「濃い眉をした男には気をおつけ、それは狼男なのだから・・・」 『赤ずきんちゃん』をモチーフにしつつ、少女の視る夢の中で、幻想的で官能的なエピソードがつづられてゆく。これは、思春期を迎えた少女の、性のめざめに揺らぐ心を描き出した、美しいおとぎ話である。 日本公開時は、狼への変身シーンなどの特殊メイクアップにスポットが当てられ、筆者もホラーとして観に行ったが、実のところこれはホラーというカテゴリーとはちょっと違う気がする。 原作者は、アンジェラ・カーター。少女を主人公にした、マジック・リアリスム的な作風で、日本でも多く翻訳されているのでご存知の方もいると思う(原作は「血染めの部屋」)。そして、監督のニール・ジョーダンは、実は若い頃作家志望だった。カーターは彼の作家仲間、なのである。 同じくカーター原作・脚本の映画で「パペットの館」('87年日本公開・原作「魔法の玩具店」)という、やはり15歳の少女の揺れ動く思春期の心を描いた作品がある。 両親を事故で亡くして、彼女を引き取った叔父は、パペットを異常に偏愛する人物だった・・・という、これも幻想的な味わいのいい作品で、カーターの小説はきっとビジュアリスティックで映画との相性がいいのだろう。「狼の血族」と姉妹のような関係、とも解釈でき、ぜひDVD化望む!と言っておこう。 「狼の血族」は制作費が少なかったため、ほとんどセットで撮影されたのだが、それが結果として幻想的な雰囲気を生み出す事に成功しており、他に類をみない見事な「おとぎ話」世界となっている。セット撮影が巧い監督は実は少なく、ロケーションでは撮影できないような空気感・世界観を作れる監督は、ニール・ジョーダンの他にはフェリーニやケン・ラッセル、日本でいえば小林正樹(傑作「怪談」!)ぐらい、だろうか。ジョーダンは「インタビュー・ウィズ・バンパイア」でも再び幻想・怪奇のジャンルに挑戦しており、吸血鬼となったブラッド・ピットが見る“最後の落日”もセットで撮影され、実に美しかった事を憶えている。 おとぎ話、というのはそもそも残酷でエロティックなものである。民間伝承として伝わっているものには、無数のバリエーションがあり、男女が「夜伽」をする前に雰囲気を盛り上げるために語られる事もあったため、夜伽話、なんて呼ばれる事もある。それをグリム兄弟のような人たちが採集して、子供向けに出版したため「童話」というイメージがついてしまったが、元々は性と血のイメージが混沌と渦巻く残酷な世界なのである。 さて、映画の主人公ロザリーンは思春期を迎えた、現代の少女。彼女は夢の中で、性のめざめへの憧れを暗示するような、めくるめくイメージやエピソードのあわいを彷徨う。おとぎの国の赤ずきんちゃん、白いロールス・ロイスの運転手・・・。おばあちゃんはロザリーンに警告する「男には気をおつけ・・・」しかし、彼女の揺れ動く心は、狼たちの群れを呼び寄せる・・・ 劇場公開されたとき、まだ鼻タレ小僧だった筆者は、ラストシーンをありきたりなホラーのお約束的結末だと勘違いしてしまった。が後年見直した時、これはかなり判りやすいエロティックな「おとぎ話」的メタファーなのだと気づいた。 窓ガラスを破って、ロザリーンの部屋に侵入してくる一匹の狼。 ルージュに真紅に染まった少女の口が、大きく開かれ・・・
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