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狭き門 (岩波文庫)
 
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狭き門 (岩波文庫) [文庫]

アンドレ・ジイド , 川口 篤
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登録情報

  • 文庫: 221ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (1967/01)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4003255828
  • ISBN-13: 978-4003255827
  • 発売日: 1967/01
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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山内義雄訳の新潮文庫の方がよく売れているようだ。しかし山内訳は原文を直訳したような生硬な文体で、文章の勢いが低下している。一方、川口篤による翻訳は美しい日本語で淀むところがない。「狭き門」を読むなら、本書を繙かれんことを祈る。(二宮正之訳が筑摩書房 から出るのを楽しみにしているが、、、。)
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By shinsei777 VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
青年時代の一時期に、自らを高めてくれる異性と巡り合うことは、
宗教的人格の持ち主にとって、確かに重要なことであるかもしれない。

ただ、「頭脳の恋」、すなわち、相手のなかに自己の理想の反映を見出し、偶像として祭り上げてしまうことは、相手に対し「あるべき姿」を無意識のうちに求める行為でもある。

アリサの悲劇は、ジェロームがアリサに対し、信仰の導き手としての役割を認め、
最後まで、そこから離れることができなかったことにある。

ジェロームの問題は、信仰という問題に関して、アリサヘの愛の延長線上に、神への愛を認めてしまったことにある。
アリサヘの愛を離れて、神への愛を考えられなくなってしまっているのである。

これは、生身の肉体を持つ女性にとっては、酷な話であるだろう。

アリサの死後、アリサの遺言から、ジェロームに贈られた「アリサの日記」のなかには、複雑で生々しい葛藤の跡が見出される。

ジェロームを通じて、信仰における徳を求める心情と、ジェロームの愛を求めながらも、それを否定し受け入れることのできない心情。神をも呪う心情。

これは、ジェロームの求めるアリサが、人間としての真実のアリサそのものではなく、宗教的な意味で理想化された、記憶のなかにおけるアリサであったことを意味している。

人間としてのアリサは、年月を重ねるに従い、若さを失う。
ジェロームが記憶のなかで見詰めている若々しいアリサは、現実には徐々に失われていく。

ある段階を過ぎれば、もはや、導き手としての役割を果たすことはできない。

しかし、ジェロームは、アリサを信仰における徳の導き手として祭り上げ続けるのである。
アリサがジェロームの愛を受け入れるということは、同時に、ジェロームにとっての理想であり続けなければならないという重荷でもある。

けれども、本当に求めていることは、生身の人間として、女性として愛されることなのだ。

ジェロームの愛は、アリサを高め喜ばせると同時に、苦しめ拒絶させるのである。
アリサの苦悩に比べて、ジェロームを愛しながらも別の男性との結婚を選んだジュリエットの平凡な幸福が際立っている。
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By roy_s
初めて読んだのは中学2年のときで、アリサの行動が突拍子もないものに思われてなじめなかった。20年以上たって読み直したとき、突拍子もないのは語り手のジェロームのほうだと気づき、目から鱗が落ちる思いだった。

アリサの母が若い男と出奔したとき、母の養父であるヴォーチエ牧師は、説教壇で「力を尽して狭き門より入れ。滅にいたる門は大きくその路は広く、之より入る者おほし。命に至る門は狭くその路は細く、之を見いだすもの少なし」と聖書の引用をするが、このうち、冒頭の「力を尽して」だけがルカ伝のもので、あとはマタイ伝の引用である。マタイ伝の「狭き門」は、「あまりに小さくて、たいていの人は気づかずに通りすぎてしまう門」という意味と思われるが、ジェロームとアリサは、それを「圧延機」のようなものと解する。

ジェロームは、自分がアリサに感化されたように言っているが、実は逆で、年下の秀才ジェロームがアリサの読書を指導し、思想的にも大きな感化を与えていたことが、本文中に示されている。

ジェロームは、久しぶりにアリサに会っても、決定的な一歩を踏み出そうとしない。アリサは、ジェロームが愛しているのは彼の幻想によって理想化された自分であって、現実の自分ではないことがわかるので、彼の求婚を受け入れることができない。ジェロームを愛しながらも為す術を知らず、次第に追い詰められていく。アリサが残した日記には、一人で死んでいくことの絶望感が窺われる。

ジェロームの言葉の裏に現実を読み取ることを求めている、皮肉な本だと思う。しかし、とにかくおもしろい。陰気な話だが、快活で聡明なジュリエット(アリサの妹)の魅力が救いになっている。
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