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31 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
男には言わねばならぬ時がある,
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レビュー対象商品: 独裁者 コレクターズ・エディション [DVD] (DVD)
チャップリンは徹底したトーキー嫌いであった、トーキー全盛になっても声の出る作品を撮らず、「色彩映画」などもってのほかだった。それはチャップリンの保守性というよりも、サイレント時代から培ってきたパントマイムによる喜劇手法にまだ追求するべきものがあると考えていたからだと思う。しかし社会情勢を按手傍観し、自らの喜劇の理想を追求するような時代ではなくなった。言わねばならぬ時が来たのである…。1933年に恐怖の独裁者がドイツの政権を合法的に掌握した。ヨーロッパ各地でユダヤ人に対する迫害がはじまった。これが周りからトーキーの制作を薦められてもお茶を濁してきたチャップリンが「声出し映画」作品制作に踏み切った単純な動機である。 主人公の床屋(ユダヤ人の典型的職業)に、いつもの貧乏紳士チャーリーと思しき人物が配されている。床屋は独裁者ヒンケルにそっくりである(チャップリンの方が欧州では先に名声を得ていたのであり、ヒトラーのちょび髭はチャーリーのパクリだという説がある)。いろいろドタバタするうちに最後のナチス批判の大演説をぶつ。これば当時、否、現在のトーキー映画の概念から言ってもかなりの掟破りである。それまでどちらかというと臆病だった床屋が党大会でヒンケルに摩り替わる。10分以上も大演説をぶつチャップリンの顔のどアップが続く。壇上に上がっているのは、すでにあの貧乏紳士ではなくて、映画人チャールズ・チャップリンその人でなのである。彼はこの大演説を映画観客に見てもらうためにトーキーの制作に踏み切ったと考えた方が良い。これは、ベートーベンが第9で交響曲の形式の頂点を極めるために最終楽章に合唱をつけたように、喜劇王チャップリンは、ナチスを批判するために、最初のトーキーでトーキーの概念を破壊するほどの「言葉の嵐」を終盤に持ってきたのである。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ファンにとっては、確かに映像特典はもの凄いですが・・,
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レビュー対象商品: 独裁者 コレクターズ・エディション [DVD] (DVD)
映像特典との2枚組で発売されているこの『ラブ チャップリン』シリーズですが、全タイトルの中でもこの作品の特典は凄いです。何といっても1999年に見つかったという、兄シドニーチャップリンの撮った撮影模様のカラー映像がついているのですから・・・。ヒンケルや床屋がカラーで動いています。同年同月に生まれたチャップリンとヒトラーの人生を対比した1時間ほどのドキュメンタリー『放浪者と独裁者』などともかく映像特典はファンにとっては見逃せませんし、20世紀の歴史の貴重な資料だと思います。本編については『社会』と『笑い』に真摯に対峙しているチャップリンの姿勢が一番顕著にあらわれた作品でヒトラー全盛期にこの作品を作ったというその勇気と歴史の先見性に対する感動も大きいのですが、ギャグも典型的なスラップスティックなもの(巻頭の戦争シーンはまさしくドリフターズ等々の教科書です)からブラックなものまで非常に豊富で何度見ても笑えます。 ただ、このシリーズをとおして感じるのは、豊富な映像特典はファンにとって非常に貴重なのですが、チャップリンの伝記の著者デイヴィッド・ロビンソンによるイントロ(この『独裁者』のみついていないのですが)だけを本編の冒頭につけた廉価版も併せて発売し、より多くの人がチャップリンの作品を手にするほうがいいような気がしました。正直、既に以前のDVDを持っているコアなファン以外には映像特典は濃すぎて全部は見切れないのかなという気もします。
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
映画110年のマスターピース,
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レビュー対象商品: 独裁者 コレクターズ・エディション [DVD] (DVD)
戦後、ヒトラーを批判した凡作は数多あるが、本作はチャップリンが命を賭けて制作したマスターピースである。ムッソリーニとの掛け合いや、ムチャクチャなドイツ語で演説するユダヤ人非難(?)など、1940年に作られたことがウソみたいな内容が満載。バルーンの世界をもてあそぶシーンなどは、まさにヒトラーの本質を捉えた名シーンだし、最後の演説は言わずもがな。日本にも「陸軍」のような奇跡の一本があるが、悲劇としてではなく、恐怖を笑い飛ばしたところに、本作の真価がある。
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