ブルの正常化後のアフィリカー首席‘理性の光’の座を巡る覇権争いと反政府組織OGNの駆け引きを描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第367巻。本巻の執筆者は、曲者クナイフェルと大御所マールです。アフィリカーの遠征艦隊は酸素惑星シグナルを失い不屈派のカサル準提督が逃避派のホッジ提督を争いの末に倒し新提督となってテラへ帰還する。本書から久々に地球を舞台にアフィリー社会での免疫保持者の激闘が再開されます。
『独裁者への道』ハンス・クナイフェル著:テラではアフィリカー国家首席‘理性の光’の座を巡り二人の候補による覇権争いが始まっていたが、新たにカサル提督が加わり三つ巴の争いとなる。本編ではOGN(善良隣人機構)幹部セルジオが戦略としてカサル提督と協定を結びますが、最後に冷酷な裏切りと逆転のドラマが待っています。『洗脳作戦』クルト・マール著:独裁者カサルはOGNの指導者ブルを罠に嵌めようと欺瞞工作を立てる。やがて人類の歴史認識を記憶操作しようと企むパルクッタ・プロジェクトを巡って両陣営による騙し合いの諜報戦が始まる。本編ではスパイ小説の醍醐味である一進一退の攻防が味わえます。新たに登場したOGNを支援する謎のアフィリカー組織が興味深く、意外なラストも次の展開を期待させます。
本巻の翻訳者、林啓子氏のあとがきは微笑ましい我が家の第二次ピアノ・ブームのお話です。そして巻末では長く挿画を休載し心配されていた依光隆先生が遂にローダンの宇宙船から降りる事にしたと最後のご挨拶をされています。長い間本当にありがとうございましたと感謝の言葉を捧げると共に、来年から表紙を飾る新たなローダンのイラストを楽しみに待ちましょう。本書で367巻となりもし仮に一日一冊読んでも閏年でも一年では読み切れなくなりました。私は年末を迎え今後も人気に関係なく命ある限り読み続けようと決意を新たにした次第です。