本書ですが,C++ベースでのデザインパターンの入門書レベルの内容で,
C++を使う者にとっては大変有難いのですが,残念ながら以下の理由から
初版の内容ではお勧めし辛いです。
まず最初に UMLの表記に関する簡単な解説と,オブジェクト指向の概念についての
説明があり, その後,デザインパターンの使用頻度別(高・中・低)に分けて,
各パターンが以下の構成で紹介されています。
・パターン適用前のソースコード
・パターン適用後のソースコード(大半は複数)
・パターン適用後のクラス図
各パターンの紹介で使用しているプログラムは,実処理が無い簡単なコードですが,
それにも拘らず,メソッド名やクラス名の平凡な間違いが非常に多く,コンパイルが
通らないことが多々あります。★-1
また,パターン適用後のコードが各ページに部分ごとに散在しており見辛いです。
当然,実際に動作させてみる場合も,読者が自分で散在したコードをまとめ上げる
必要があり,結構労力を要します。巻末もしくはせめてWeb上に,コード一覧を
早急に用意して欲しいです。★ -1
なお,「パターン適用後のクラス図」の説明についても一部誤植がありましたが,
こちらは初版のため仕方ないか…というレベルでした。
本書に掲載されているプログラム自体は,「独習C++」で勉強したことがある読者
であれば読みこなせる内容で,C++ベースのデザインパターンの入門レベルとしては
良いと思いますので,早期の訂正とコード一覧の掲載を強く望みます。