内容紹介
【独立プロとは】
戦後、東宝の労働争議を契機に一部の映画人たちが自らの手で大衆が望む映画を作るため、大手制作会社に頼らない外部プロダクションで製作した映画を総称して呼ぶ名称。これらの作品群は日本映画史の中においても大きな役割を果たし、現在へ繋がるインディーズ(自主制作)魂の原点を感じることができます。
【収録内容】
「松川事件」 東北本線・松川駅付近での旅客列車脱線転覆事件から1ヵ月。福島の街がまだ眠りにつつまれている早朝、2人の人間が警察署へ吸い込まれていく。1人は刑事の本間、1人は19歳のチンピラ赤間勝巳だった。この事件の容疑者として連行された赤間は厳しい取調べを受け、果てしない拷問により正気を失っていく。そして警察と検察によってあらかじめ用意されたウソを供述書を作らされた。この“赤間自白”をもとに労組から20名が次々と逮捕される。無罪を主張する被告たち、それを支える弁護団、家族の闘い、次々に暴かれていく検察の陰謀…。その後、13年間にわたる闘いによって、被告たちは遂に無罪を勝ち取るのだった。
《監督》 山本薩夫
《製作》 伊藤武郎 絲寿雄
《脚本》 新藤兼人 山形雄策
《撮影》 佐藤昌道
《美術》 久保一雄
《音楽》 林光
《出演》 宇津井健 下元勉 宇野重吉 小沢弘二
「暴力の街」 埼玉県本庄町、赤城嵐の吹きすさぶやくざの本場。暴力団が検察、警察、公安や町議にいたるまで手を回し町を支配し、善良な市民が恐れと不安におののいている。真相の追究こそ新聞の使命と、記者たちは立ち上がる。アンケートをとり、家庭を訪ねて徹底調査をすることから戦いは始まった。明るい町をつくろうとビラ撒きやポスター貼りに参加する若者たち。しかし暴力団や警察の圧力も強かった。それでも必死で闘ううち、町全体に少しずつ反ボス的な雰囲気が生まれてくる。やがて町政刷新会が結成され町民大会が開かれた。大会はほとんど全町民の意思を結集し、警察署長や検事の罷免、暴力団の一掃、公安委員のリコールを決議するのだった。
《監督》 山本薩夫
《製作》 伊藤武郎 松本酋二
《原作》 朝日新聞浦和支局『ペン偽らず』
《脚色》 八木保太郎 山形雄策
《撮影》 植松永吉
《美術》 五所福之介
《音楽》 斉藤一郎
《出演》 志村喬 原保美 池部良 宇野重吉 三条美樹 岸旗江
「武器なき斗い」 関東大震災の直後、大正12年。同志社大学の生物学者である山本宣治は先進的な性教育の講義を行っていた。しかし政府は治安維持法を制定してプロレタリア弾圧に乗り出しており、山本も大学当局や政府の妨害をうけていた。大正14年、ソビエトの労組代表の来日を機に政府は多くの学生や活動家を拘束。山本も大学を追放され労働党の運動に加わる。運動を通して政治変革の必要性を感じ、激しい妨害をうけな
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
日本映画の黄金時代を支えた独立プロによる名作を紹介するシリーズのBOX第2弾の闘争編。暴力団に支配された街で市民が立ち上がる『暴力の街』をはじめ、『武器なき斗い』『松川事件』の社会的事件を題材にした山本薩夫監督作品全3タイトルを収録する。