何十年ぶりかで、胸がスカッとする本に出会えた。 書き出しからして奮っている。―――― 「私が大学で怪しげなフランス語を臆面もなく教えることになったのは ….」―――― 前田秀樹氏は、飄々としていて文才があって、機知に長けている。
私自身、大学に行かれなかったことは若い頃には、負い目としてあったのだが 高校時代 ロクに勉強もしなかったのだから、入れなかったことも道理(笑)。
処がそんな私が 高校卒業し、社会に出た途端ににわかに、NHK教育TVを前に、古典乙'Tから勉強を始めだした。それが、五十才の現在に至るまで弛まず続いてきている。独学である。
「ハウツー物」と呼ばれる本がある。 金儲けの方法。 教育の仕方。 技術の方法。 それらの本については 私には首をかしげる代物が多い。また、それらの悩みに読者は(ユーザーは)「どうしたらよいですか(?)」と 本の中に求めているのである。
そうした人たちに、私はどこか、間違っていませんかと言いたくなる。
大切なことは貴方自身の中にあるのじゃないですかと言いたくなる。 自分、自らの力を頼みにしてこそが 学ぶことへの本懐。
この著作はそこの処の大切さを言っている。まさに「独学の精神」。 レビューのタイトル「独り生から生まれる多様さと工夫」という言葉は 私自身の言葉だが好きであるし、本書で語られていることはそうしたことも含まれている。
ヒューマニズムとは何か (レグルス文庫)