この10年間では、寝床で一番よく読んだ本です。
第2次世界大戦の裏側、ドイツとロシアの戦いをドイツ側(負けた側)の沢山の人からの聞き取りで書かれたノンフィクション作。
特に「焦土作戦」の後半は、一つの国家、民族が滅んでゆく壮大な叙情詩である。
圧倒的な兵力差のロシア軍を相手に、勝利を治めてた智将マンシュタインがヒトラーから罷免されてからの東部戦線はガタガタに崩れ始めてゆく。
絶望的状況下にあっても前線の指揮官、兵の勇気、努力、自己犠牲的精神は米、英、日の戦史では見当たらない。
東部戦線での約束事みたいのがある。それは
「決して捕虜になるな!」
日本のような玉砕、とか生きて捕囚の辱めを受けるな、という精神的なものでなく、ロシア軍の捕虜になると負傷者であろうが、民間人であろうがおかまいなく残虐な殺され方をしたのだ。(詳しく書くと誰も暗くなるので書かない。)
だから命がけでものすごく戦う。アメリカみたいに休養もない。
マイナス25度〜40度の猛烈な寒気の中戦い、ぬかるみで一歩も進めない状態を救出作戦のために向かう。
とにかくドイツ人指揮官は死守命令に従い何千、何万の部下を犬死にさせるか、良心に従い自己判断で撤退(その場合命令不服従で自分は銃殺!)どっちにするかの選択でものすごく苦悩するのだ。
そして最終的な決断をするのだが、ものすごくドラマチックだ!
とにかく一番上に立つ指導者(ヒトラー)が頑迷だと、何十万の人間が犠牲になってしまうというのである。
作者のパウル・カレルはそれを読み応えのある一級の作品にしている。読み始めたら寝られない!
かみさんの寝物語に朗読すると、興味のないかみさんも「面白い!」という。