歴史群像における独ソ戦の特集をまとめてある。主に取り上げられているのは以下の通り。
・キエフ大包囲戦
・モスクワ攻防戦
・独ソ戦、極秘の図上演習(ソ連側の戦前の状況)
・マインシュタイン戦記(クリミア戦記)
・スターリングラード攻防戦
・ツィタデレ作戦
・ベルリン攻防戦
これが独ソ戦の全てではないし、独ソ戦の行方を決定付けた「バクラチオン作戦」がコラム扱いでたった3ページだけという不満はある。ただ、扱われている内容に関してはページ数に比してコンパクトかつかなり濃密で上手くまとまっており、質の高い内容になっている。背景、部隊の配置や編成、指導者の考え、関係する将軍たちが考えていたこと、武器、補給、地形や気象、情報、部隊編成、作戦と展開、予備の使い方、攻守の切り替えといった戦争を語る上で必要な点をバランスよく網羅して考察した上で記述されているため、作戦の性質や勝敗のポイントも分かりやすい。大型本であることを生かして全て白黒ながら地図や写真といった資料も多く掲載されている。
また、各所に独ソ戦に関するいろいろなコラムが挟まっている。特に、ドイツとソ連の空軍に関する考察、アメリカからソ連へ援助されたものの中に42万台ものトラックが含まれていたことがソ連の電撃的な反攻作戦の実施を可能にしたことに触れているくだりなどはなかなか興味深く読めた。