ロッキー山脈の過酷で雄大な大自然の中、昔ながらの罠猟をして生きる実在の狩人ノーマン・ウィンターが、本人役で主演を果たす今作は、大自然をバックに、伝統的なライフスタイルを守り抜く人間と、それを支える犬たちとの友情を描く感動のアドベンチャー・ドラマです。
カナダ・ユーコンの四季の移り変わりの美しさ。自然ドキュメンタリー、「WATARIDORI」のカメラマン、ティエリー・マシャドによる撮影も実に素晴らしい。そして、走ることが楽しくてしかたなさそうなハスキー犬たち。ドラマとは言え全く、ドキュメンタリー映画を観ているよう。
「狩人が減ったから、動物も減った」と語るノーマンの言葉が非常に印象的でした。一見、矛盾しているように聞こえるが、かつての狩人たちは、動物たちを観察しながら、必要な数を捕えることで、生態系全体のバランスを保ってきたのだという。乱獲はもってのほかだが、単に“ありのまま”でもいけない。だからこそノーマンは、不便も危険も顧みず、人間にしか出来ない微調整を、人間の責任としてまっとうしようとするのだ。
そして、先住民と白人の共生。それにしても、「白人が毛皮を先住民に売る」「それが現代さ」という場面は笑えました。こういうユートピアが永続していくことを願わずにはいられません。
自然保護を訴えるだけのエコ映画にはない、荘厳な響きと高まりを感じる抒情詩のような映画です。