京極堂シリーズの中でも映像化が難しいと思われる『狂骨の夢』だが、志水アキ先生の見事な筆致による漫画的な表現で、京極作品の幻想的な世界が大いに表現されている。
この2巻においては、原作の4章〜7章の冒頭までの部分が収録されている。前巻では朱美と伊佐間、朱美と降旗の会話が中心に描かれたが、今巻では関口・木場・敦子といった『魍魎の匣』においておなじみの面々が髑髏を中心に起こる怪事件に対することとなる。
圧巻なのは、巻末あたりにおける朱美の混乱の描写である。朱美に混じる「他人の記憶」を、フラッシュバックなどの手法を用いて効果的に描写している。
ただ一つ残念だったのは、冒頭の久保竣公の葬式の場面において、久保の父親に対して京極堂が言う「死後の世界は生きている者にしかない」という台詞がカットされていたことだ。…京極堂らしいセリフだったと思うのだが。