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27 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
その女、朱美,
By こひつじ (埼玉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫) (文庫)
京極堂シリーズの中では、いささか反響が薄めの印象を受けるが、登場人物の書き込みに深さが増し、心理描写が細やかになって読み応えのある作品に仕上がっている。特に「いさま屋と出会った朱美」が魅力的。いい女だなぁ、と女の眼から見ても思った。枯れたいさま屋でなくてもほれ込むこと確実。(ちなみに彼女は「塗り仏」でも活躍し、いい女っぷりを見せている) 今作でも残虐な殺人事件は起こされるわけだが、そのいきさつがあまりにも悲しい行き違いによるものであり、また「魍魎」に比べて筆から凄惨さの色を薄めているように思われ、後に不快な嫌みが残らない。 が、多くのやりきれない悲しみを包み込んでエンディングは奇妙に清々しい。 なお、この作品を読むに当たって、軽く精神分析関連の本、及び古事記神代記はさらっておいた方がいいと思う。まるきり知識がないと、入り口で取っ付きが悪くてせっかくの本文を楽しめない恐れがあるかと。
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
朱美さん、素敵。,
By 真琴 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫) (文庫)
前のニ作に比べると、ややインパクトは薄いかもしれません。前作が原色だとするとこれは淡色という感じでしょうか。しかしながら、より民俗学ミステリーとしての魅力は満載な作品と言えます。髑髏がモチーフとしてでてきますが、事件そのものは、「魍魎の匣」に比べると救いようのないようなグロテスクな暗さはないです。 朱美と民江に関する種明かしは、まったく予想していなかった展開で、 「いや〜、そうくるのかね〜」と扇子で頭を叩きたくなるようでした。 よい意味で自分の推理が外れたことが新鮮でしたね。 陰鬱な事件が繰り広げられる推理小説の世界の中で、魅力ある女性の登場人物というのは常に物語の中に光を与えてくれるポジティブなものの象徴だと思うのですが、この朱美はとりわけそういった印象が強かったです。(私としては松雪泰子さんのイメージで定着してしまいました。)
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
京極堂シリーズ第3弾。,
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レビュー対象商品: 文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫) (文庫)
実に多様なテーマを扱う京極作品だが、本作は宗教はもちろんのこと、フロイトの精神分析までもが出てくる。これまでの作品にも心理学的な要素を含む記述は出てきたが、本格的なものは本作が初めてだろう。 評者は精神分析に明るくないので、本作での精神分析についての説明が正しいのか そうでないのか(京極夏彦氏が精神分析まできちんと理解しているのかどうか)までは わからないけれど、実際にある程度精神分析を学んだ人が読めば、素人が読むよりも また違った面白さがあるのではないかと思う。 シリーズ中、この『狂骨の夢』が一番好きだ!!という人はあまり聞いたことがない。 それはもちろん、他に魅力的な作品が多くあるからだろうが、精神分析やそれについての 伏線の張り方がちょっとだけ難しくて、すんなり面白さが伝わってこないところにも あるような気がする。また、「狂骨」という妖怪自体が他の妖怪シリーズで扱われている妖怪よりも理解しにくいというところにもあるかも(これは流石にないか笑)。 個人的にはもっと評価が高くても良いと思うし、非常に良くできた話だと思っている。 秀作。
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