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狂骨の夢
 
 

狂骨の夢 [単行本]

京極 夏彦
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (50件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

妾(あたし)は人を殺したことがあるんでございますよ。
髑髏のみせる幻、骨の記憶を黒衣の男が解き明かす。
狂骨は井中の白骨なり

内容(「BOOK」データベースより)

狂骨は井中の白骨なり―髑髏のみせる幻、骨の記憶を黒衣の男が解き明かす。

登録情報

  • 単行本: 978ページ
  • 出版社: 講談社 (2006/9/30)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062136279
  • ISBN-13: 978-4062136273
  • 発売日: 2006/9/30
  • 商品の寸法: 19 x 14 x 4.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (50件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 760,283位 (本のベストセラーを見る)
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5つ星のうち 5.0 その女、朱美, 2005/8/6
 京極堂シリーズの中では、いささか反響が薄めの印象を受けるが、登場人物の書き込みに深さが増し、心理描写が細やかになって読み応えのある作品に仕上がっている。

 特に「いさま屋と出会った朱美」が魅力的。いい女だなぁ、と女の眼から見ても思った。枯れたいさま屋でなくてもほれ込むこと確実。(ちなみに彼女は「塗り仏」でも活躍し、いい女っぷりを見せている)

 今作でも残虐な殺人事件は起こされるわけだが、そのいきさつがあまりにも悲しい行き違いによるものであり、また「魍魎」に比べて筆から凄惨さの色を薄めているように思われ、後に不快な嫌みが残らない。
 
 「宇田川朱美」の沈む髑髏の夢の描写は秀逸だった。この夢から始まって、次第に壊れてゆく彼女の姿は痛ましく、また切ない。
 後半に至って知らされる、ある宗教の存在が彼女の業の原点であると明らかになって、その悲しさがいよいよ募る。
 望んだわけでもないのに、彼女の人生のこの帰結は一体誰の罪か。
 大願を果たしえず死を選んだ女たちにもその哀しみはかぶる。

 が、多くのやりきれない悲しみを包み込んでエンディングは奇妙に清々しい。
「朱美」という女に描き出された不可思議な違和感に気づいた読者ならば、この終結はある程度予想がつくと思われるが、京極堂の手際はいつもながら鮮やか。麻の如く乱れた糸を解きほぐし、一人ずつ「落として」ゆく筆さばきはさすがと言える。若干強引な点もいつものことであるが、基本的に京極堂シリーズは謎解きが眼目ではないので良しとする。

 なお、この作品を読むに当たって、軽く精神分析関連の本、及び古事記神代記はさらっておいた方がいいと思う。まるきり知識がないと、入り口で取っ付きが悪くてせっかくの本文を楽しめない恐れがあるかと。

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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 朱美さん、素敵。, 2006/3/2
前のニ作に比べると、ややインパクトは薄いかもしれません。前作が原色だとするとこれは淡色という感じでしょうか。

しかしながら、より民俗学ミステリーとしての魅力は満載な作品と言えます。髑髏がモチーフとしてでてきますが、事件そのものは、「魍魎の匣」に比べると救いようのないようなグロテスクな暗さはないです。

朱美と民江に関する種明かしは、まったく予想していなかった展開で、

「いや〜、そうくるのかね〜」と扇子で頭を叩きたくなるようでした。

よい意味で自分の推理が外れたことが新鮮でしたね。

陰鬱な事件が繰り広げられる推理小説の世界の中で、魅力ある女性の登場人物というのは常に物語の中に光を与えてくれるポジティブなものの象徴だと思うのですが、この朱美はとりわけそういった印象が強かったです。(私としては松雪泰子さんのイメージで定着してしまいました。)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 京極堂シリーズ第3弾。, 2007/7/21
By 
哲学する河童 - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
実に多様なテーマを扱う京極作品だが、本作は宗教はもちろんのこと、フロイトの精神分析
までもが出てくる。これまでの作品にも心理学的な要素を含む記述は出てきたが、本格的なものは本作が初めてだろう。

評者は精神分析に明るくないので、本作での精神分析についての説明が正しいのか
そうでないのか(京極夏彦氏が精神分析まできちんと理解しているのかどうか)までは
わからないけれど、実際にある程度精神分析を学んだ人が読めば、素人が読むよりも
また違った面白さがあるのではないかと思う。

シリーズ中、この『狂骨の夢』が一番好きだ!!という人はあまり聞いたことがない。
それはもちろん、他に魅力的な作品が多くあるからだろうが、精神分析やそれについての
伏線の張り方がちょっとだけ難しくて、すんなり面白さが伝わってこないところにも
あるような気がする。また、「狂骨」という妖怪自体が他の妖怪シリーズで扱われている妖怪よりも理解しにくいというところにもあるかも(これは流石にないか笑)。
個人的にはもっと評価が高くても良いと思うし、非常に良くできた話だと思っている。
秀作。
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