プルーストの失われた時を求めてと同じで、ラブクラフト作品というのは、
ストーリーだけ見ても取り立てて気の利いたオチがない、
というよりもストーリーよりも形容詞の多用で醸し出される雰囲気というのが、
作品の本質な訳ですよね。
とすると、確かにこの本は忠実に原作を追ったストーリーだけど、
原作が持つゴシックホラーぽくもあり、超宇宙的な雰囲気というのが、
どうもこの絵からは出てこないのですよね……
たぶん、もっと漫画っぽい作品には合うのでしょうけれど。
昔、ヤンマガで乱歩の鏡地獄を漫画家したのが合ったけれど、
アレは読み切りだけど、絵の陰気さと作品のグロさが相まって、
実に素晴らしかった。ああいう感じを求めてたんですけれどねぇ。
合間に差し込まれる蘊蓄も、まぁ読めばそれなりに面白いところははあるのですが、
正直、作品の弱さをごまかすぐらいの役割にしかなってません。
とは言っても、ラブクラフト好きは買っちゃうんですけれどね。