鬱病の生涯有病率は全人口の15%と言われる。かつては200人に一人と言われた統合失調症は今は100人に一人とも80人に一人とも言われる。精神疾患は誰でもなる可能性がある。これが自分の知っているおおざっぱな情報だ。
この本では、メディアによって「心の病」が取り上げられることにより、垣根は低くなったものの、あきらかに間違った使われ方をされている場合もあることを正確に指摘している。その具体例として、第一章ではPTSDを扱い、ある芸能人の離婚会見の後、「自称PTSD」が激増したことが書かれている。第二章はトラウマ信奉について。もちろん、あきらかにトラウマによる精神疾患もあるのだが、あまりにも軽く使われすぎていることがよくわかる。以下、それぞれの章に分けて、ADHD、鬱病、ボーダーライン、自傷、統合失調症、薬物依存などについて、きちんとした具体例を挙げて説明がされているので大変わかりやすい。
近頃は「プチ鬱」などと言う、本当に鬱で苦しんでいる人が読んだら腹立たしいような言葉もまかり通っているが、本当の鬱はそんな生やさしい物ではないことがよくわかる。精神疾患に「プチ」はないのだ。
現役の精神科医によって書かれたこの本、大変勉強になった。お勧め。