前巻の最後、『来るべき災厄』の宇宙人、強欲王を宇宙の彼方に飛ばすため力を使い果たしてどういう原理か赤ん坊になってしまった乱崎家の三女、月香。ただでさえ赤ん坊は手が掛かる上に、この赤ん坊はお腹が減っては泣いて電撃、おむつが濡れては泣いて電撃と、とにかく事あるごとに電撃を放ってとうとう家まで壊すほどですから半端じゃありません。今までのように狂乱家族の特権や力づくの『宴』で解決する相手じゃありませんから、凶華たちも慣れない子育てに悪戦苦闘の日々を送るわけです。
そんな良くも悪くも月香が家族の中心になっている中、乱崎家の良心的存在である優歌がそれまで自分のものだった“家族みんなに愛されている存在”という立ち位置を月香に取られたみたいで色々複雑な心境らしく、月香に厳しく当たったり、時には叩いたりしてしまうわけです。『妹』がいささか普通でない他には妹を持った姉としておかしくない、言ってみればホームドラマ的で普通な展開が逆に新鮮かなと思いましたが、その矢先、月香の成長の合間に語られる「闇禍伝説」絡みの事件も起こったりして、そう簡単にありがちな展開には進まないわけでして。その辺がやはりプロだなぁと感心します。
結果から言えば優歌と月香は仲直りするわけですが、その辺の経緯は実際に読んでいただくとしまして、あと今後の展開にも大きく関わるでしょうから闇禍伝説の部分は熟読することをお勧めします。