わたしも裁判所外から裁判に関与する人間なので、興味深く通読した。
裁判官の私生活・業務・制約などは、実際の体験であろうから信頼性は高いと思われる。
その点、本書の前半は無批判に読めた。(盲目的とも言うか?)
しかし、後半の司法制度に対する提言・苦言については疑問符が附される。
どうも、自分の意見だけを押し出し、それがすべてのような書き振りで、読者を欺罔させる文脈である。
これは、近年の『公務員批判をするのが正義』と言うような感が拭えない。
また、他のレビューでもあるように、自身を''責した横浜地裁所長を実名を晒しての酷評は、まともな議論ではない。
そして、最終的に、”裁判員裁判”を全面的に否定して本書を終えているが、その内容は、裁判員制度の始まる前の執筆であったが、現在の結果は、まったく筆者の書く事と相容れないのである。
つまり、総じて、本書はその信頼性に疑問符が持たれると評して差し支えないものである。