「精神鑑定も可視化を望むものである」
様々な問題をはらんでいるのはもちろん分かっているが、
この1982年に出版された本が、犯罪精神学の教科書然として未だに
絶版にならずにいるのは納得できない。
著者の鑑定は冤罪を生んでいるのである。
精神鑑定をするのは著者のような医者ですが、採用するかどうかは裁判官が決めます。
しかし裁判官に判断する精神医学的な知識があるかどうかは大いに疑問です。
さらに、今は全く素人が参加する、裁判員制度も始まっているのです。
おそらくそれらの人々は鑑定者の権威に引きずられて判断するのではないでしょうか。
本書の著者は権威のひとりとされています。
しかしその主張は
「殺人犯は脳に必ず損傷がある」といったとんでもないものです。
さらに「ネット利用者やオタクは性犯罪者予備軍」との持論を展開していますが、
それを裏付ける根拠を提示することはない。こうした多数の根拠のないレッテル張りなどを
行っている人が権威者然として本を出している状態は異常です。
足利事件(1990年)の一審の精神鑑定においては、当時の被告に対して「代償性小児性愛者である」と鑑定しています。
一審、二審の裁判の判決ともに本書の著者の精神鑑定が証拠採用され、当時の被告は有罪(無期懲役)でした。
当時の被告の弁護人は、「たった3回の面会のみ(異常です)で、当時の被告を代償性小児性愛者と断定した福島の鑑定結果には、大いに疑問の余地がある」として、
本書の著者に対して面会時の録音テープの提出を要求した。福島は再三の提出要求にも、一切応じませんでした。
2009年6月、当時の被告はDNA再鑑定の結果、遺留品と一致しないという鑑定結果が出たことは有名です。