この本の特徴は、まず事件の詳細を聞き、専門家の解説を読むことで、「自分だったら・・・」と考えることでまるで「裁判員」の疑似体験をしているような気分をしてしまうことにある。
だから本書はエンターテイメントの面はもちろんのこと、それ以上に「社会面」が強い作品だったのではないかと思う。
しかし、私はそうした意味と同じか、もしくはそれ以上に大切なことがあるのではないかと思う。
それは、「人のふり見てわがふり直せ」ということ。
読み終わった多くの人は、事件の犯人の行為をみて、「こいつは最悪の奴だ」とか「自分はこんなこと絶対にしない」と思うことだろう。
しかし、絶対にそうといえるのか?、そういう環境を作っていないか?、そうしないためにはどうしたらいいか?、などいろいろなことを自分自身に問いかけてみることが本書を読んだ人には必要なことだと思う。
これまで書いたことを肌で感じるためには、実際に裁判の傍聴をしてみるのが一番だ。
しかし住んでいるところなどの事情から難しいという人もいると思う。
そんな人に本書を勧めたい。