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犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)
 
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犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫) (文庫)

雫井 脩介 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

雫井 脩介
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作、『栄光一途』でデビュー。05年に『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ちょっと軽いけど, 2007/12/3
By I'll go to a place in the sun (神戸市東灘区) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
メルギブソン主演の映画(題名は忘れたけど、わが子を誘拐した犯人に賞金かけてTVの力を借りて追い詰めてゆく)をみたときから、やがてこういう劇場型捜査の話を誰か書くだろうと思っていた。
私の予想では、五十嵐貴久か荻原浩あたりだろうと思っていたのだが。
上巻は、あまり軽さを気にさせずにぐいぐい引っ張っていってくれる。
文章も癖がなく読みやすいし、著書の他の作品も読んでみようかという気にさせる。
下巻が楽しみである。
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13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 作品自体も劇場型(映画向き), 2007/12/2
期待していた以上に面白かった。
主人公・巻島警視と犯人との駆け引きが物語の多くを占めるもの、と思っていたのが良い意味で裏切られました。

「劇場型犯罪vs劇場型捜査」が進行する裏で展開される巻島警視の孤立無援の戦い。
テレビ局と世論、味方であるはずの捜査本部を相手にまで駆け引きを迫られていく過程は、物語全体の緊迫感を小気味良く高めていく。
また、他のレビュアーの方も例に挙げていた宮部みゆきの『模倣犯』では、被害者や当該事件の犯人の目線でも多くが語られ、そのことが読み進める上でかなりのストレスになっていた(当然それが面白さでもあった)というのが個人的な感想なのだけれど、本作ではそういったものを出来るだけ省き(例えば、巻島の家族への嫌がらせなどが詳細に語られたらかなり気が滅入ると思う)、あくまで巻島が挑む情報戦・心理戦をメインにしている印象。
それが「児童連続殺人」というテーマの負荷をいい意味で軽減し、読み進めやすさ・テンポの良さに直結させた点が、私からの評価☆5の最たる理由です。

この上巻では、単なる「優秀かつ個性的な捜査官」ではなく、単に「失敗をカテに強くなった」わけでもない巻島警視の人物設定と、それを生んだ6年前の事件がページ数の大半を使って描かれます。
否が応でも掻き立てられる巻島の「その後」への興味。
彼が左遷先から呼び戻される理由とその経緯にストーリーが至る頃には、すぐにでも「下巻」を買わずにいられなくなっているはず。
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21 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 映画化でも注目のミステリー、文庫化です, 2007/10/18
By シロフォン - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
2004年に数々の賞を受賞した小説の文庫版。男児連続殺害事件に「劇場型捜査」で犯人に挑もうとする警察。その責任を預けられたのは、6年前の誘拐事件で男児死亡、犯人を取り逃がすという最悪の結果を招き、記者会見でも失態を演じた巻島警視だった。

著者の小説を初めて読んだがおもしろかった。テンポよく歯切れのいい文章が臨場感を生んでいる。ある種の軽さ、ご都合主義は感じるが、それすら物語にブレーキをかけないための美点と映る。連続殺害事件・・・宮部みゆき氏が書けばもっと重たく長いものになるだろうし、警察内部の軋轢・・・高村薫氏が書けばもっとややこしくなるだろう(お二人を否定しているわけではありません。念のため)。巻島に焦点を絞り、他はつっこみすぎずに程ほどのところで物語を運び、一気にページを繰らせるこんな小説もいいと思った。
かといってスピード感や臨場感だけでひっぱっているわけではない。巻島の心理面も書き込まれていて読ませる。巻島が信頼を寄せる津田長との場面などぐっとくるセリフも多し。それにしても津田長、ほれぼれする。
著者には読者に嫌われない要素、読者を味方につける何かが備わっているのじゃなかろうか。誘拐事件をあまり軽くさばさばと書かれても困るのだが、「警察にとって幼児誘拐はさしずめ社運をかけたビッグプロジェクト」といった趣旨の記述があっても、不快感を与えないようなところがある(もっともこうしたさばけた語りもおそらく意図的なもので、巻島の心情の変化を表す広義の伏線になっていると思うのだが)。なんというか、程がいいのだなと感じる。ミステリーになじみのない人にもおすすめだと思う。

上巻の後半はいよいよ「劇場型捜査」が本格始動し、下巻に向けて期待感が高まる。
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