「崖っぷち犬」が話題になった時、「その犬を飼いたい」という希望が
殺到した。譲渡会では他の犬の里親を希望する者はなく、崖っぷち犬の
里親選考に漏れた人が引き取りを希望したところ「話題作りだ」と批判を
浴びた。(ちなみに崖っぷち犬は現在、管理センターで飼育されている)
このように人間とはとかく、勝手な生き物である。
この本は、行き場をなくした犬や猫を保護し、新しい飼い主を探す
活動をしている学生たちの日々の出来事をつづったものだ。
失礼ながら、単なる学生のサークル活動かと思いきや、まったくの
手探りからのスタートで、簡単にはいかなかったこと、自分が死にかけた
こと、人から「偽善行為」と言われてつらかったこと、苦労は尽きない。
けれどその苦労すら簡単に消し飛ばしてしまう、保護した動物の生きる
強さがここにはあった。
安心できる飼い主に引き渡した時の嬉しさがあふれていた。
彼らはほめられたくてやっているのではない。
ただそこにある、消えゆく命、それを守りたいだけなのである。
この犬部、現在「北里しっぽの会」がこれからも、長く広く活動を続けて
いくことを願ってやまない。
ペットを飼っているあなた。
その命を最期まで看取る優しさを、どうか持って欲しい。