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タウン誌「犬の眼」の編集者、八束房恵は、人を愛したことがなく、自分は半分犬なのでは、と思うほどに犬を愛している。取材で知り合った陶芸家、玉石梓と再会した房恵は、自分を負傷させてまで飼い犬の安全を守った彼女に惹かれ、交流を深めるうちに「あの人の犬になりたい」と願うようになる。房恵に興味を持ち、自らを魂のコレクターだというバーのマスター、朱尾献と死後の魂を譲り渡す契約を結んだ房恵は、オスの仔犬、フサとなって梓と暮らしはじめるが、梓の家族関係がいびつに崩壊していることを知る。
梓を苦しめる人間にできるのは、吠えることだけ。そんな自分に無力感を感じながらも、フサは、何も求めない、穏やかな愛を与えることで、犬なりに彼女を守ろうとする。飼い犬のように愛し、愛されたい房恵=フサは、梓の、これまで誰も入り込めなかった心の深みに入り込めるのだろうか? セックスの介在しない愛は、房恵自身を、満たしてくれるのだろうか?
松浦理恵子は、1978年に『葬儀の日』で「泣き屋」と「笑い屋」の愛を描いて文学界新人賞を受賞した。その後も、『ナチュラル・ウーマン』では女性同士の愛、『親指Pの修行時代』では親指がある日突然ペニスになってしまった女子大生の性遍歴と、一貫して、あまり一般的ではない愛を描いてきた。7年ぶりの長編小説である本作では、主人公が犬になることで、また新たな性と愛の可能性をひらいた。2008年度読売文学賞受賞作である。(取理望)
梓を苦しめる人間にできるのは、吠えることだけ。そんな自分に無力感を感じながらも、フサは、何も求めない、穏やかな愛を与えることで、犬なりに彼女を守ろうとする。飼い犬のように愛し、愛されたい房恵=フサは、梓の、これまで誰も入り込めなかった心の深みに入り込めるのだろうか? セックスの介在しない愛は、房恵自身を、満たしてくれるのだろうか?
松浦理恵子は、1978年に『葬儀の日』で「泣き屋」と「笑い屋」の愛を描いて文学界新人賞を受賞した。その後も、『ナチュラル・ウーマン』では女性同士の愛、『親指Pの修行時代』では親指がある日突然ペニスになってしまった女子大生の性遍歴と、一貫して、あまり一般的ではない愛を描いてきた。7年ぶりの長編小説である本作では、主人公が犬になることで、また新たな性と愛の可能性をひらいた。2008年度読売文学賞受賞作である。(取理望)
商品の説明
第58回(2006年) 讀賣文学賞小説賞受賞
内容紹介
あの人の犬になりたい。そして、人間では辿り着くことのできない、心の深みに飛び込んで行きたい。「自分は犬である」と夢想してきた房恵が、思いをよせる女性の飼い犬となるため、謎のバーテンダーと魂の契約を交わす。ところが、飼い主の家族たちは決定的に崩壊していた。オスの仔犬となった「フサ」は、彼女を守ることができるのか? 『親指Pの修業時代』から14年。今、新たに切り開かれる魂とセクシュアリティ。
内容(「BOOK」データベースより)
あの人の犬になりたい。そして、人間では辿り着くことのできない心の深みに飛び込んで行きたい―『親指Pの修業時代』から14年。今、新たに切り開かれる魂とセクシュアリティ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松浦 理英子
愛媛県生まれ。青山学院大学文学部卒業。1978年、『葬儀の日』で文學界新人賞、1994年、『親指Pの修業時代』で女流文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
愛媛県生まれ。青山学院大学文学部卒業。1978年、『葬儀の日』で文學界新人賞、1994年、『親指Pの修業時代』で女流文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)