本書は『
君よ憤怒の河を渉れ』『
黄金の犬』『
化石の荒野』で知られる作家・西村寿行氏が1976年に発表された冒険ミステリー小説である。
過去に映画化(1978・4・1公開、監督:中島貞夫、主演:菅原文太)と3度のドラマ化(1978/7/7〜1978/8/25・主演:あおい輝彦、1990/10/9・主演:三浦友和、2002/3/24・主演:かたせ梨乃)され、話題となった作品である。
誘拐された一人娘・良子を取り戻すために父親・秋津四郎が、愛犬・鉄を引き連れて犬にだけ聞こえる音を出すゴールトン・ホイッスル(犬笛)を持っていた良子の吹く笛の音を頼りに長野から北海道、山陰から日本海と日本縦断し、その背景にある巨大商社の陰謀により幾度も死地をくぐり、出会った人々に助けられながら追跡し続ける壮大な物語である。
攫われた一人娘を取り戻すために執念の追跡を続ける父親・秋津四郎、ゴールトン・ホイッスル(犬笛)を頼りに救出を信じる一人娘・良子、警察関係者のなかで唯一の秋津の理解者である警視庁公安部外事課・小西友永、犯人グループの一味でありながら良子を気遣う精神科医・法眼規子、今回の事件の中心人物である実行犯・三枝寛二、義憤に駆られて領海侵犯を侵してでも犯人追跡に協力する大型巡視船の老船長・村田武男、などなど…。
途中、秋津四郎が犯人グループの陰謀により全国指名手配を受けながらも警察の捜査網の目を潜り抜けながらも犯人グループの後を追う執念は大変スリリングであり、また、死別したと思われた愛犬・鉄との再会シーンや大団円も大変よかった。