原書の『
Four Paws, Five Directions: A Guide to Chinese Medicine for Cats and Dogs』と比較すると、構成、情報量、本の大きさが全然違いますが、私は原書と日本語版のどちらも重宝しています。
原書では、経絡・経穴の図が写真に線を引いた形で紹介されています。(日本語版は絵)
経絡・経穴の図(写真)が一箇所にまとまっているので、途中で何度もそのページに戻らなければならないのが難点。図はビジュアルで位置を示しているだけで、何本目の肋骨というような言葉による具体的な位置の説明は他のページを参照しなければなりません。図(写真)のページだけ切り取って、別冊感覚で使ったほうがいいかも。
しかし、出典や参考文献はきちんと明記されていて、索引も充実しています。
あと、写真とは別に、骨格の図で経穴の位置を示したものもいくつかあるので、正確な位置が把握しやすいです。また、脈診、舌診、食材の温冷、五臓六腑の時間帯など、日本語版では省かれている情報は貴重です。内容は、臨床獣医師としての著者の経験も反映しているとあったので、人間の中国医学とは異なる点もあるようです。
日本語版(第六版)も経絡は一箇所にまとまっていますが、経穴の図(絵)は症状ごとに挿入されています。骨格の図はないので、正確な場所の把握は難しいかも。
しかし、絵と同じ場所に位置の説明があるので、他のページは参照せずにすみます。
本の大きさも、原書に比べるとかなりコンパクトで読みやすいです。
あと、獣医師に漢方を相談したいときも、日本語表記で書かれていたほうが楽かもしれません。
巻末には、日本で漢方・鍼灸治療が受けられる病院の一覧がついています。
残念なのは、日本語版では索引がかなりシンプルになっており、出典や参考文献が省かれている点。
情報を精査したい人、更に勉強したい人には物足りないかも。
それから、日本語版92p 最後のパラグラフにある「「水」に属する肝臓、胆嚢に影響を与え、便秘や下痢を起こします。」の「水」は「木」だと思います。該当箇所と思われる原書268pでも「木」となってました。
東洋医学に全く親しみのない人は、『
にゃんこの指圧』のほうが分かりやすいかも。正確な位置の把握は難しいと思いますが、マッサージ感覚で猫さんとのスキンシップを楽しみたいという人や、東洋医学の概念よりツボだけ知りたいという人には、こちらをお勧めします。
ツボだけなら、『
犬と猫のための自然療法』にも詳しく載っています。
経穴の位置が骨格の図に示されているので、位置の確認という点ではこちらのほうが把握しやすいかもしれません。ただ、中国医学の概念についてはあまり詳しく書かれていません。
インターズー系の専門書は難しいけれど、簡単なツボだけでなく中国医学の概念、犬猫の体質判断、食事療法、漢方も知りたいという人には本書をお勧めします。