内容(「BOOK」データベースより)
よみがえる、モダンなせりふ劇。岸田國士の傑作短篇(「犬は鎖に繋ぐべからず」「隣の花」「驟雨」「ここに弟あり」「屋上庭園」「紙風船」「ぶらんこ」)を、ある町内の出来事として連鎖的にコラージュした極上の戯曲。
出版社からのコメント
岸田戯曲の素晴らしさは、あっさりとした口当たりの、語られた時に美しい日本語。短い日常語が繰りかえされるその内容は、出てくる単語のレトロ感をのぞけば、最近に書かれたものと錯覚しそう。クスッとさせられるユーモア、そこはかとないエロス、じわりと広がるシニカルさまで、きわめてビビッドな現代性を感じさせる。
本作は、彼の短篇戯曲を、鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチが、ある町内の出来事としてコラージュ(構成・潤色)! ベースとなるのは─英語教師の家の"躾"をめぐって会議が展開してゆく「犬は鎖に繋ぐべからず」。小住宅の庭越しに不倫を匂い立たせる「隣の花」。成瀬巳喜男が映画化にあたって表題とした「驟雨」。菊池寛の『父帰る』の批評としても有名な「ここに弟あり」。人生に成功した男と失敗した男が、それぞれの妻同伴のうえデパートの屋上にて再会する「屋上庭園」。夫婦生活の機微を描きあげる「紙風船」。ありふれた朝食の風景にシュールなひと時が入り込む「ぶらんこ」。
いずれも絶妙な会話が展開する極上の戯曲を、ひとつの世界の作品としてご堪能あれ。