漫画家吉野朔実のファンになってかれこれ二十年。「ジュリエットの卵」は今でもバイブルです。新作「period 」も凄い。だからこのシリーズを知った時は涙もの。吉野さんてやっぱりすごい本好きだったのねー。……なのに吉野さんと私の読書体験って古典を除くとほとんど重なってない。意外。
でも吉野さんの読書の日々がわかるこのシリーズはおもしろい。たとえば“クレスト・ブックスっていい作品多いですよね”という友人との会話シーンに“私はちょっと苦手”と割り込みたくなるけど、そこに紹介されてる「ジャイアンツ・ハウス」の粗描は妙に魅力的で、手にとりたくなる。アタマの中で吉野絵をつけながら読みたくなるというか……。“そう簡単に癒されてたまるか”“自分ちに本屋が欲しいよね”などなどの呟きもぶんぶんうなずいてしまうし。そうか、髪の長い美女や繊細な美少年や複雑な人物設定や背景の花がなくても,吉野漫画は十分楽しいんだ! というか、友人たちと本について語るほのぼのとした日々から、あの美しくもややこしい魅惑の主人公たちが生れてくるのね。
「猫を乗せる」「本を破壊する」「食べながら読む」などなどがおもしろかった。春日武彦氏ら三人との対談もおもしろい。本好きは、電車で隣の席の人の読んでる本のタイトル見るのねーやっぱり。