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擬音語・擬態語を探ることで、その時代の持つ雰囲気を感じ取ることができるのではないか、という第1部の分析も楽しいものです。しかし本書の真骨頂はまさに第2部の動物の鳴き声にこそあります。タイトルにもある「びよ」という犬の鳴き声。どうやら室町時代頃までは実際に犬は「びよ」と鳴いていた可能性があるといいます。犬が「わん」と鳴くようになるのは江戸時代から。ではこの違いはなぜ生まれたのか? 著者は人間と犬のつきあい方が変わったからだと考察していきます。非常に興味深いので詳しくは読んで下さい。
他にも「つくつくほうし」の鳴き方がたどった歴史的変遷を見ていく最終章や、男女関係の機微さえも映した猫の鳴き声を文化史的に考察する章など知的好奇心をそそられる話題が次々と提示されます。源氏物語における擬態語に見る紫式部の天才という論点も見事です。研究として緻密でありながらも、くだけた文章でしかも読者を豊かな日本語の世界に誘う良書です。
なかでも、源氏物語の紫式部のこまやかな擬態語の使いわけなどは、
「これは、ぜひ、国語の先生に聞いてみてやろう」
などとほくそえみたくなる楽しさに満ちています。
日本語のいろんな研究本などはやはり専門家にしかわからない面があると思うのですが、
この本は本当にただ日本語の『ネイティブ・スピーカー』であるというだけで、
日本語のおもしろさ楽しめる方法を教えてくれます。
古典嫌いの学生さん。
読んでみてください。おもしろいよ。
この作者の大学での講義も聴いてみたいです。
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