『博士の愛した数式』で大ブレイク直後の小川さんのエッセイ集。
「数の不思議に魅せられて」「「書く」ということ」「犬や野球に振り回されて」など、ライフワークとしているアンネ・フランクのことも含め、変わっていく小川さん、変わらない小川さんの両方の心のうちを垣間見ることができる。
『完璧な病室』『まぶた』『沈黙博物館』(とても怖い話!)など、今では初期作品となったの裏話も読めて、長年のファンとしてはとても興味深かったし、本に囲まれていた幼年期ではなかったのに、「閉じこめられた静寂なのか」「正体がわからぬまま」家にたまたまあった大人の本に引き込まれていった、という話がとても印象に残った。誠実な人柄と文学への思いがにじみでた美しい本。