本作はオムニバス、というかごった煮的作り方になっている。
冒頭の短編などは吉本新喜劇かと思うくらいの「おバカ」編ばかりで、後半の2編がシリアスなだけに
そのギャップが大きすぎるのだ。
犬映画には珍しくTBSが付いているが(大抵はフジかtvkだ)、青木アナのシーンなどはもう
完全に「コント」だから、これを「活動写真」に組み込むのはどうかと思う。
とはいえ、内野聖陽の大芝居&KY演技の素晴らしさには感動してしまったが(笑)。
軸になるのは長崎監督の「犬の名前」だ。
若年性アルツハイマーに侵された夫(大森南朋)と妻(松嶋菜々子)の苦心は、かの名作「明日の記憶」にも
通じるところがあるが、夫が子供の頃のトラウマで犬嫌いであることから描いたことで、ラストの感動にも
繋がる作り方は、さすが長崎組、という感じである。
またよほど気に入った監督としか仕事をしないREMEDIOSがスコアを付けているのも特筆ものだ。
個人的には岩井監督の「Love Letter」のスコアは邦画史上ベストなスコアだと思うし、彼女の
付ける余韻のある「音」は今回も素晴らしい!これだけで泣けてくるもんなあ・・・
北乃きいと芦田愛菜の「バニラのかけら」も良かったが、何にせよ短すぎである。
これなら「犬の名前」だけを90分使って撮りあげた方が映画的カタルシスもあったと思う。
俳優陣はそれぞれに豪華であり、せっかくなら長崎組の世界観に取り込んでほしかった。
HDの質感は上々であり、デジタルライクな明るい画質で楽しめるが、特典映像の類が収録されて
いないことが不満だ。観たい方は2枚組DVDも買ってください、という売り方はそろそろ止めた
方がいい。
評価はあくまで「犬の名前」に対しての4つ星で、ブルーレイソフトとしては上記理由で2つ星程度です。